インド政府、一般成人向けブースター接種を期間限定で無料化

(インド)

ニューデリー発

2022年07月20日

インド政府は7月15日、一般成人を対象とした新型コロナウイルスワクチンの3回目(ブースター)接種について、期間限定で無料接種を開始した。2022年4月から始まった一般成人(18~59歳)向けブースター接種は原則として、民間の接種会場で行われている(2022年4月19日記事参照)ため有料だ。しかし、7月15日から75日間に限り、医療従事者、エッセンシャルワーカーや60歳以上の高齢者と同様、公的な接種会場において無料で受けることができるようになった。なお、2回目のワクチン接種完了日からブースター接種まで空ける必要がある期間も、従来の9カ月間以上から6カ月間以上に変更されている。

インド国内におけるワクチン接種回数は、7月17日に累計20億回を突破した。このうち97.4%は1、2回目の接種で占められ、ブースター接種は全体の2.6%にとどまっている。2回目接種者のうち、ブースター接種率はエッセンシャルワーカーでは62.0%、60歳以上の一般成人は22.4%に上るが、それ以外の対象者にはほとんど普及していないのが現状だ(添付資料参照)。

インドでは、新型コロナウイルス感染拡大の第3波が沈静化した2022年2月下旬以降、1日当たりの新規感染者数は1万人未満と低水準で推移していたが、6月から緩やかな増加に転じている(添付資料図参照)。7月前半の新規感染者数は1日当たり1万5,000人前後となっており、さらなる感染拡大を回避したいインド政府が一般成人向けのブースター接種を普及させるため、今回の措置に踏み切ったとみられる。

(広木拓)

(インド)

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