18歳以上の成人を対象としたブースター接種を開始

(インド)

ニューデリー発

2022年04月19日

インド政府は4月10日、一般成人を対象とした新型コロナワクチンのブースター接種を開始した。従来、ブースター接種の対象は医療従事者やエッセンシャルワーカー、60歳以上に限られていたが(2022年3月22日記事参照)、18歳以上の成人であれば接種可能となった。接種できるワクチンは、これまでに2回接種したワクチンと同種のものとなる。接種希望者は、2回目のワクチン接種日から9カ月間以上の間隔を空けた上で、民間の接種会場で接種できる。

インド国内における累計ワクチン接種回数は、4月12日時点で18億5,900万回を突破した。保健・家庭福祉省による8日付発表によると、15歳以上の人口のうち、少なくとも1回のワクチン接種を済ませた割合は約96%、2回の接種を済ませた割合は約83%に達している。3月16日に接種を開始したばかりの12~14歳も、既に1回目の接種率が約45%と、非常に速いペースで普及が進んでいる状況だ。

インドにおける新規感染者数は4月以降、1日当たり1,000人前後で推移している。内務省は、新規感染者数の減少とワクチンの普及を受け、同省傘下の国家防災委員会(NDMA)による各種新型コロナウイルス感染対策を24カ月ぶりに全面的に解除する、と3月22日付で発表。各州に対しても、必要に応じて行動制限措置の撤廃を求めた。ただし、今後の情勢によっては再度、対策を講じる必要性が生じることもあり得るとした。

首都ニューデリーのあるデリー準州政府は、オミクロン型変異株を中心とする第3波の感染拡大を受けた各種行動規制を2月28日に全面的に解除していたが(2022年3月2日記事参照)、4月1日以降、公共の場におけるマスク非着用に対する罰金も撤廃した。日系企業が多く集積する都市グルグラムのあるハリヤナ州でも、2日付でマスクの着用義務が解除されている。なお、両州政府とも、公共の場におけるマスク着用は引き続き推奨するとしている。

(広木拓)

(インド)

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