マントゥロフ産業商務相が副首相兼務に
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2022年07月26日
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は7月15日、デニス・マントゥロフ産業商務相を副首相兼産業商務相に任命した(大統領令第459号)。同じく大統領令で宇宙開発公社ロスコスモスの総裁に転じたユーリー・ボリソフ副首相が所管していた国防政策などを引き継ぎ、防衛産業を含めた産業振興に取り組む。
副首相と、国防相、内相、外相などを除く閣僚については、憲法83条d項、112条の規定により、首相が候補者を下院に提出し、下院の承認を経て大統領が任命することになっている。ミハイル・ミシュスチン首相が12日にマントゥロフ氏を下院に提案し、15日に下院が開いた臨時会合で承認、即日、大統領によって任命された。
下院臨時会合での採決に先立ち、マントゥロフ氏に対する質疑が行われた。マントゥロフ氏は「産業政策を技術主権の確保を目指した政策に転換する必要がある」と訴えた。重要産業に対して、追加で資金を投入して支援すべきとも述べ、その産業として電子機器、工作機械、中小規模の化学産業(注)を挙げた(「RBK」7月15日)。
マントゥロフ氏は、1969年ムルマンスク生まれ。国防関連企業でキャリアを重ねた後、2007年9月に工業エネルギー省次官に就任した。2008年5月に同省がエネルギー省と産業商務省に分割されて(2008年5月7日記事参照)産業商務省次官、2012年2月に大臣代行、同年5月に産業商務相に就任した。
(注)顔料、触媒、界面活性剤、特殊プラスチックなどの化学品や素材分野を指す。
(浅元薫哉)
(ロシア)
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