2030年に使い捨てプラスチック禁止へ、代替品開発も推進
(コロンビア)
ボゴタ発
2022年07月22日
コロンビアで2020年以降審議されてきた、使い捨てプラスチック使用禁止に関する法案(2020年法律274号)が2022年6月1日、上院で可決された。大統領承認手続きが完了すれば施行となる。使用が禁止される使い捨てプラスチック製品は、レジ袋、食品容器、ストロー、綿棒の芯、歯間フロスの持ち手など14種類だ。100%リサイクル原料で製造されたプラスチック製品は、対象とならない。製品の種類により、法律施行から2年後と8年後に段階的に禁止される(添付資料表参照)。違反者には最大で、最低賃金5万カ月分(注)の罰金や事業所の閉鎖など、厳しい罰則が規定されている。
法案では、プラスチック製品の製造および使用を減らしていくための政策や、代替品開発に関する政策についても定められた。法律施行から1年以内に、環境・持続可能な開発省は、循環経済モデル、持続可能な代替品の調査と開発、消費者への周知やインセンティブなどを含むアクションプランを策定することが規定された。また、施行から1年6カ月以内に、商工観光省と労働省は、生産転換および労働市場適応のためのアクションプランを策定することも盛り込まれた。代替品開発については、政府は経済的インセンティブ付与を通じて、持続可能な代替品の研究や技術開発を促進することが明記された。
コロンビアでは、2017年にレジ袋税が導入されており、現在1袋当たり50ペソ(約1.6円、1ペソ=約0.031円)が課税されている。国家環境ライセンス庁(ANLA)によると、導入以降、プラスチックレジ袋の流通量は年々減少しており、2017年の6億2,700万枚から、2020年には3億2,500万枚と、約半分にまで減少した。また、消費者の使い捨てレジ袋利用は69%減少し、生分解性プラスチック袋や再利用袋の利用が拡大するなど、大きな効果がみられている。新たな法律の施行により、幅広い品目での使い捨てプラスチック利用廃止が進むことが予想される。
(注)現在の最低賃金で換算すると、500億ペソ。
(茗荷谷奏)
(コロンビア)
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