チリ中銀、政策金利を9.75%に引き上げ、急速なペソ安は為替介入で安定化図る
(チリ)
サンティアゴ発
2022年07月20日
チリ中央銀行は、7月13日に行われた金融政策決定会合で、政策金利を9.75%に引き上げることを決定した。上げ幅は前回会合と同じく0.75ポイントで、9会合連続の値上げとなった(添付資料図1参照)。
中銀は、世界的なインフレに伴い先進国や新興国で財政状況が厳しくなっているとし、国内のインフレ加速、国際銅価格の下落による通貨ペソ安、ロシアのウクライナ侵攻による原材料やエネルギー価格の高騰を、金利引き上げの要因として上げている。
チリ統計局(INE)の7月8日の発表によると、6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比0.9%、前年同月比では12.5%となった(添付資料図2参照)。前月比でみると、2022年3月(1.9%)を最高値として上昇幅は減少傾向にあるものの、引き続き燃料や食品の価格が上昇を続けている。
ペソの対米ドルレートは、7月13日に1ドル=1,008.81ペソと過去最安値になった。ドル価格の上昇と、銅の国際価格の下落、国内の不確実性の高まりなどを背景に、急速なペソ安が進行している。これらを受けて中銀は、14日付のプレスリリースで、7月18日から9月30日までに最大で250億ドルを投じて為替介入を行うと発表した。下落を続けるペソの安定化を図る。
中銀は、2年間でインフレの目標値である年率3%に落ち着かせるためには、さらなる金利の引き上げが必要と予想しており、次回の9月6日に行われる金融政策決定会合でも、追加の利上げが見込まれている。
(岡戸美澪)
(チリ)
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