フランス初の洋上風力発電所が運転を開始

(フランス)

パリ発

2022年06月20日

フランスの送電系統管理会社RTEは6月10日、フランス西部サンナゼール沖の洋上風力発電所が運転を開始したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。フランスで洋上風力発電所が稼働するのはこれが初めてとなる。

サンナゼール洋上風力発電所の建設計画は、2012年にフランス電力(EDF)の再生可能エネルギー事業子会社EDFリニューアブルズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが率いる企業連合体が受注していた(2019年6月25日記事参照)。現在、GE(ゼネラル・エレクトリック、本社:米国)がサンナゼール市近郊の工場で製造した27基のタービンを設置済みで、2022年末までにこれを80基に増やし、480メガワット(MW)の発電容量を確保する予定だ。

フランスでは現在、サンナゼールのほか、大西洋側の西部ノワールムティエール、サンブリューと、英仏海峡に面した北西部ダンケルク、ルトレポール、フェカン、クールソーユシュルメールの計7カ所で洋上風力発電所の建設が進められている(エコロジー移行省ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。このうちフェカン沖の洋上風力発電所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは2023年に運転を開始する予定だ。

2019年に制定されたエネルギー気候法は、2030年の総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を「少なくとも」40%まで引き上げる目標を設定している。政府は同目標の達成に向け、洋上風力発電の導入設備容量を2023年に2.4ギガワット(GW)、2028年に5GWに拡大する計画だ(政府ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

建設が進む上記7カ所のほかに、現在、2019年に公表された複数年エネルギー計画の枠内でノルマンディー沖に1GWの洋上風力発電所を2カ所、ブルターニュ南部沖に250MWの浮体式洋上風力発電所を1カ所、地中海側に250MWの浮体式洋上風力発電所を2カ所、大西洋側の南部沖に500W~1,000MWの洋上風力発電所を1カ所建設する計画が進んでいる(エコロジー移行省ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

エマニュエル・マクロン大統領は2022年2月、2050年でのカーボンニュートラル達成に向けたエネルギー政策の中で、発電施設の建設に対する地元住民の反発が根強い陸上風力発電の目標達成時期を延期するとした。一方、洋上風力発電については2050年までに50カ所、合計40GWを整備する方針を示していた(2022年2月17日記事参照)。

(山崎あき)

(フランス)

ビジネス短信 f13f3d8de8996cb0