浙江省、サービス業の消費回復促進策を発表

(中国)

上海発

2022年06月13日

浙江省政府は5月31日、消費促進などを目的として、8つの分野に関する38項目の政策を発表した(2022年6月7日記事参照)。浙江省内の新型コロナウイルス新規感染者は5月24日以降ゼロで抑えられており、杭州市、寧波市ではPCR検査陰性証明の有効期間を48時間から72時間に延長するなど、段階的に緩和を進めている。

こうした状況を踏まえ、浙江省新型コロナウイルス感染症対策弁公室は5月31日、旅行・宿泊・飲食など業界の消費回復に向けて、「防疫措置と旅行・飲食・宿泊等サービス業の発展を高効率かつ一体的に実施する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。主な内容は以下のとおり。

  • 過去7日間「社会面ゼロ」(注1)の状態にある省内の県(市・区)では、常態化した防疫対策の徹底を前提に、観光地、飲食店・ホテル、娯楽施設などにおいて、段階的に制限解除を促進し、旅行、会議、展覧会、文化娯楽などのイベントの開催を進める。原則として、集中隔離地域の周辺を除き、A級観光地(注2)および室内における文化・観光業界の活動を制限しない。
  • 浙江省内居住者による、社会面ゼロを実現した省内各市をまたぐ旅行を提唱し、自由な往来の条件を明確にする。新型コロナウイルスを理由に安易に外出制限などの措置を実施しない。
  • 修学旅行など小中学生の学校を通じた団体旅行や家族旅行を促進する。小中学生の省を跨ぐ移動は依然として学校への報告が必要だが、社会面ゼロを実現している省内各市間の移動は報告を不要とする。正当な理由なく小中学生の外出を制限してはならない。
  • 旅行代理店に対し、省を跨ぐ団体旅行の実施、航空券と宿泊予約の販売再開を許可する。ただし、中高リスク地域を往来する団体旅行業務は引き受けてはならない。

そのほか、社会面で感染が発生した場合、感染が発生した市・県は厳格に防疫措置を実施し、そのうち、封控区、管控区、防范区(注3)に該当する地域では3区分管理を厳格に実施するとした。その一方、省市の専門家を通じ、感染規模が小さく影響が限定的、外部に感染が拡大するリスクが低いと判断された感染発生地の県(市、区)については、旅行・飲食・宿泊等サービス業の基本的な事業運営を保障するとしている。

(注1)「社会面ゼロ」とは、行政区単位で社会面(管控区、防范区、非閉鎖管理の社会流動人員などを含む)の陽性感染者数が3日連続してゼロになる状態。

(注2)中国国家観光局が定める観光地の等級。

(注3)「封控区」「管控区」「防范区」は次のとおり。具体的な日数や範囲については、地域によって異なる場合もあり得る。以下は浙江省政府の5月18日記者会見に基づく。

  • 「封控区」:感染者(無症状感染を含む)が確認された場合、PCR検査実施日から4日前までの期間に所在していた居住地および勤務地。
  • 「管控区」:封控区が所在する社区(または村)内のその他の地域。
  • 「防范区」:「封控区」、「管控区」以外の特定地域。防疫コントロールセンターと専門家の判断によって、郷・鎮(県における区画単位)や街道を含む場合や、県(市・区)全体を含む場合がある。

(龐婷婷)

(中国)

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