香港の世界競争力ランキング、5位に回復、スイスの研究所発表

(香港)

香港発

2022年06月20日

スイスの国際経営開発研究所(IMD)は6月15日、「世界競争力ランキング2022外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。香港は5位を獲得、前年の7位から2ランク上昇し、2020年と同じ5位に回復した。デンマークが初めて1位を獲得し(前年3位)、2位はスイス(同1位)、3位はシンガポール(同5位)、4位はスウェーデン(同2位)となった。同ランキングは、(1)経済パフォーマンス、(2)政府の効率性、(3)ビジネスの効率性、(4)インフラという4カテゴリー、計334の指標から評価するもので、1989年から実施しており、今回は63カ国・地域が対象となった。

香港はカテゴリー別で見ると、(1)経済パフォーマンスが前年の30位から15位になり、全体の順位上昇に寄与した。各指標の中では、「ビジネス法制」が1位、「税制」「公共財政」がともに2位、「国際投資」が3位と高評価を得た。一方で、商品やサービス費、家賃やオフィス賃料、諸生活コストなどを基に評価する「物価」は63位と、対象国・地域の中で最下位だった。

香港政府スポークスマンは今回の結果について「香港が世界で最も競争力のある経済の1つであることの証左だ。香港の競争力は、法の支配や司法の独立、資本の流動性、自由貿易、投資制度、簡易で低率な税制など、『一国二制度』の下の諸制度の強固さに支えられている」とし、「世界規模の激しい競争の中、香港政府は引き続き競争力強化に向けて努力する」とコメントした。

ちなみに、日本は前年の31位から順位を3つ落とし34位となった。各指標を見ると、「雇用」は世界2位と高評価だったが、「物価」「公共財政」がそれぞれ60位、62位と評価が低く、「経営手法」は63位と最低評価だった。しばしば日本で指摘される課題を反映したランキングとなった。

(渕田裕介)

(香港)

ビジネス短信 e5d388b1105456a6