商務部などが飲食業の回復支援策を発表

(中国)

北京発

2022年06月27日

中国の商務部など11部門は6月17日、「飲食業の回復・発展に向けた支援策の徹底的な実施の促進に関する通知」(商弁服貿函[2022]154号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。補助金、社会保険料などに関する6分野で、飲食業企業の経営負担の軽減を図る。主な内容は以下のとおり。

  • 補助金措置の策定加速:条件を満たす地方の商務主管部門などに対して、飲食業企業の防疫や消毒などのための、補助金に関する具体的な措置を策定するよう奨励する。
  • 社会保険支援策の実施:各地方の商務主管部門は関係部門と協力し、飲食業企業の失業・労災保険の保険料率の段階的引き下げを実施する。また、人員削減を行わない、あるいは人員削減数が少ない飲食業企業に対し、引き続き失業保険料の還付を行うほか、養老・失業・労災保険の保険料の納付猶予と、職業訓練補助金導入のための具体的な措置策定を推進する。
  • 企業の資金調達チャネルの拡大:各地方の商務主管部門は、関連部門と共同し、データセキュリティーおよび与信管理をしっかりと行った上で、法と規則に則したデータの共有管理を強化し、金融機関による信用貸付拡大を後押しする。また、各地方の人民銀行などは、信用債発行に関する助言を行い、適切な飲食業企業向けの信用債発行を支援するとともに、資金調達チャネルの多様化を進める。
  • 融資と信用保証機能の強化:各地方の商務主管部門は、関係部門と共同して政府系の融資保証機関に対し、条件を満たす飲食業企業が資金調達を行う際の信用保証を強化するよう指導する。また、条件を満たす各地方の財政部門は、同融資保証機関に対して、資本注入や保証費用の補助などの支援を実施することができる。
  • 商業保険のサポート機能の発揮:条件を満たす各地方の財政部門は、飲食業企業を対象に、一時的な営業停止による損失を補填(ほてん)するための保険加入に必要な資金補助を行う。
  • 高齢者向け食事提供サービスへの支援:各地方政府が、政府調達などの形式をとり、経営許可証を有し、食品安全水準を満たす民間の飲食配達業者の、高齢者向け食事支援や配達サービス提供を支援する。また、高齢者施設や社区(コミュニティー)内の高齢者向けのサービス提供機関と飲食業企業の協働を奨励する。

なお、国家統計局の6月15日の発表によると、2022年5月の飲食業収入は前年同月比21.1%減と4月(22.7%減)に引き続き大幅な減少となった(2022年6月21日記事参照)。

(趙薇)

(中国)

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