バイデン米政権、EV充電設備の全米ネットワーク構築に向け規制草案を発表

(米国)

ニューヨーク発

2022年06月10日

米国運輸省傘下の連邦高速道路局(FHWA)は6月9日、インフラ投資雇用法に盛り込まれている50億ドルのEV充電プログラム(2022年2月16日記事参照)の下で資金提供されたプロジェクトを対象に、充電器の設置や運用などに関する基準と要件を含む規制の草案(NPRM)を発表した。統一基準に基づいて全米の充電ネットワークを構築することで、2030年までに50万基の充電器を設置するというバイデン政権の目標の早期達成を目指す。

米国では現在、EV(電気自動車)充電器の設置、運用、保守などに関する国内基準が制定されておらず、機器の定格や価格の表示、料金の支払い方法など、利用時に必要な情報が充電器ごとに異なっている。今回の草案では、こうした問題を解決しつつ、車両のブランドにかかわらず全米一律の条件で充電器を利用できるように整備し、また充電器の設置や保守に関する労働力を支援するために、インフラ投資雇用法の規定に基づき(注)、以下6分野に関連する基準と要件が提示された。

  1. 有資格者による充電器の設置、運用および保守の実行。技術者に対する最低限の訓練および認定基準などの提供
  2. 州をまたいだEV充電インフラの相互運用性の確保
  3. 道路交通標識などの設置に関する既存の統一交通制御装置マニュアル(MUTCD)の相互参照
  4. 充電器の使用や保守状況、コストなどの情報を標準化するために、州による関連データの四半期ごとの提供
  5. EV充電インフラ間のネットワーク接続
  6. 利用可能な充電器の場所、価格の設定、リアルタイムでの可用性、地図アプリを介した利用可能性に関する情報の提供

FHWAはこれらの分野に関して、官報発行から60日間パブリックコメントを受け付ける。コメントの提出に関する詳細は、連邦政府ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照(Docket No. FHWA-2022-0008)。

(注)インフラ投資雇用法は、FHWAに対して、NEVIフォーミュラプログラムの実装に関する一連の最低限の基準と要件を公開するよう要求している。

(大原典子)

(米国)

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