米インテル、オハイオ工場の起工式を延期

(米国)

米州課

2022年06月24日

米国半導体大手のインテルが6月23日、オハイオ州リッキング郡で予定していた、先端半導体の製造工場建設に向けた起工式の延期を明らかにした、と複数メディアが報じている。

同社は2022年1月、オハイオ州での工場建設を発表しており、2棟による先端半導体製造工場の建設のために200億ドルを投資するとし(2022年1月24日記事参照)、2025年の稼動を予定していた。各種メディアによると、同社は、「残念ながら、半導体製造支援の法的枠組み(CHIPS for America Act)に基づく資金拠出に向けた動きがわれわれの予想よりも遅い」として、審議中の関連法案の立法化が遅れていることを理由として挙げた上で、「今こそ議会が行動を起こし、われわれがこれまで思い描いてきた速さと規模感でオハイオ州での工場建設やそのほかのプロジェクトを進め、半導体製造における米国のリーダーシップを取り戻し、より強靭(きょうじん)な半導体サプライチェーンを構築できるようにする時だ」として、国内製造業の競争力向上に向けた法案の早期成立を議会に要請している。

連邦議会では、CHIPS for America Actの予算措置を含む、米国における研究開発や製造業の競争力向上策などを含む法案を上下両院でそれぞれ可決しており〔上院案:米国イノベーション・競争法案(法案番号:S.1260)、下院案:米国競争法(H.R.4521)〕、現在はそのすり合わせが行われている。下院が成立した法案のファクトシートによると、2021会計年度国防授権法の一部として既に成立している半導体製造支援の枠組み(CHIPS for America Act)に520億ドルを充てるとされている(2022年1月26日記事参照)。

インテルは、アリゾナ州では2024年の完全稼働に向けて2つの半導体製造工場を建設しているほか(2021年9月30日記事参照)、2022年3月には、ドイツのマグデブルクに工場を建設することを発表するなど(2022年3月24日記事参照)、生産能力の拡大を推し進めている。その中でも、オハイオ州の新拠点については、今後10年間で1,000億ドル規模の投資を行い、世界最大級の半導体製造拠点となる可能性があるとしていた。しかし同社は、200億ドルの投資については今後もコミットを続けるとした一方で、関連法案が成立しない場合には、上述の1,000ドル規模の投資は不確実なものになることを明らかにしたと報じられており(CNBC6月23日)、法案成立の時期や今後の経過次第では、同社の拡大戦略に変化が生じる可能性がある。

(滝本慎一郎)

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