インドネシア・シンガポールビジネスフォーラム開催

(インドネシア、シンガポール)

ジャカルタ発

2022年06月21日

在シンガポールのインドネシア大使館とインドネシア商工会議所(KADIN)は6月14日、シンガポールにおいて「インドネシア・シンガポールビジネスフォーラム」を開催した(同大使館ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同フォーラムは、G20議長国としてのインドネシアのプロモーション、および同国への投資誘致を目的としたものだ。フォーラムには両国の政府関係者ら約350人が出席し、エネルギートランジションやデジタルトランスフォーメーションなどに関する議論が行われた。

インドネシアのアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は、各国がエネルギー資源の安定確保に奔走する状況においても、「クリーンエネルギーへの、公正かつ安価な移行が重要だ」と指摘した。また、火力発電を中心とする5.5ギガワット(GW)の同国の現在の発電能力を、段階的に再生可能エネルギーに転換していくと述べ、「シンガポールと地熱、水力、風力、太陽光発電などの共同開発を検討している」とした(「ストレーツ・タイムズ」6月14日)。

シンガポールの政府系投資会社テマセクのワイ・ホン・フォック取締役は、デジタル分野においてインフラ、ロジスティックなどで改善がみられる一方、デジタルリテラシー(注)や人材不足が引き続きの課題だ、と指摘した。インドネシアの大手EC(電子商取引)プラットフォーム「Blibli」のクスモ・マルタント最高経営責任者(CEO)は、包括的なデジタル社会を実現するため、「インドネシア政府や中央銀行などと連携しながら、中小企業に対しデジタル分野でのノウハウを提供している」と述べた。

新首都は持続可能な都市に

インドネシア政府は、新首都ヌサンタラの開発を2022年から始め、2045年には完了するとしている(2022年2月28日記事参照)。シンガポール現地メディア「チャンネル・ニュース・アジア(CNA)」は、同フォーラムに合わせて、ヌサンタラ首都公社(Nusantara Capital City Authority)技術変革・イノベーション調整担当会長のムハンマド・アリ・ベラウィ氏に対しインタビューを行った。同氏は、新首都を『森林都市、スポンジ都市、スマート都市』として持続可能な包括的な都市に発展させる」とコメントした。スポンジ都市とは、雨水を吸収・保持し、洪水を軽減する都市建設モデルで、同氏は「新首都の75%は森林や緑地となる予定だ」とする。また、公共交通システムとして自律走行車が採用される見通しだ(「CNA」6月14日)。

(注)最新のデジタル機器などを活用できる能力を指す。

(上野渉)

(インドネシア、シンガポール)

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