第1四半期の米貿易赤字、過去最高の2,838億ドル、堅調な国内需要を反映

(米国)

ニューヨーク発

2022年06月27日

米国商務省が6月23日に発表した2022年第1四半期(1~3月)の貿易統計(国際収支ベース、季節調整済み)によると、輸出(財・サービス)は前期比2.6%増の7,046億ドル、輸入は8.4%増の9,884億ドルとなった(添付資料表1、図参照)。輸入の伸びが輸出のそれを上回ったことから、赤字額は588億ドル増の2,838億ドルで、赤字額はデータが確認できる1960年以降の最高値となった。堅調な内需を満たすために企業が外国・地域の製品に依存し、輸入額が急増したことなどが影響した。財、サービスの内訳では、財が3,422億ドルの赤字、サービスが585億ドルの黒字だった。

財貿易をみると、輸出が前期比2.9%増の4,874億ドル、輸入が9.4%増の8,297億ドルだった(添付資料表2参照)。輸出では原油を含むエネルギー関連製品、化学製品(医薬品を除く)、穀物類など、輸入では原油を含むエネルギー関連製品、家庭用品(携帯電話を含む)、衣料品などが押し上げ要因となった。

輸出入額の増加に寄与したエネルギー関連製品の伸びは、原油価格の上昇が影響した。第1四半期の平均原油価格(WTIスポット)は、前期比22.0%増の1バレル当たり94.5ドルだった。中でも3月は同108.5ドルで2011年5月以降の最高値となった。なお、原油の取引量をみると、第1四半期の輸入量は前期比0.9%減の5億7,000万バレル、輸出量は同3.1%増の3億バレルとなっている。

財貿易を主要国・地域別にみると、輸出では、EUが前期比9.0%増811億ドルで、最大の押し上げ要因になった(添付資料表3参照)。石油ガスそのほかのガス状炭化水素(HTSコード2711項)、原油(2709項)、石炭および練炭(2701項)などが増加した。次いで、メキシコが8.4%増の777億ドルだった。自動車用部品(8708項)、集積回路(8542項)、電気絶縁をしたケーブル(8544項)などの伸びが影響した。輸入では、中国が前期比15.7%増の1,563億ドルと最大の押し上げ要因になった。診断用または理化学用の試薬(3822項)、血液・ワクチンなど(3002項)、履物(6402項)などが増加した。次いで、カナダが8.5%増の1,094億ドルと押し上げた。原油、石油ガスそのほかのガス状炭化水素、木材(4407項)などが増加した。

対中貿易では、輸出が減少し輸入が増加したため、赤字額が前期比23.7%増の1,164億ドルとなった。対日貿易は、乗用車(8703項)などが伸びたことで輸入が21.2%増となり、赤字額は47.5%増の187億ドルと大幅に増加した。

なお、6月7日の商務省の発表によると、2022年4月の輸出額(財・サービス)は前月比で85億ドル増の2,526億ドル、輸入額は新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンなどの影響で中国からの輸入が減少したことなどから、121億ドル減の3,397億ドルとなった。その結果、赤字額は前月比19.1%減の871億ドルと大幅に減少したものの、パンデミック前と比較すると、依然高い水準が続いている。米国の調査会社ハイフリークエンシー・エコノミクスで米国担当チーフエコノミストを務めるルベーラ・ファルーキ氏は「輸出入のギャップはパンデミック前の傾向をはるかに上回っており、この傾向は目下のところ続く可能性がある」とみている(ブルームバーグ6月7日)。

(大原典子)

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