カナダ政府、カナダ渡航者への制限措置を少なくとも9月30日まで延長

(カナダ)

トロント発

2022年06月30日

カナダ政府は6月29日、カナダに入国する渡航者向けの現行の渡航制限措置を少なくとも2022年9月30日まで延長するとともに、新型コロナウイルス無作為検査の一時停止措置については、7月中旬まで延長することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

カナダへの渡航に際しては、これまでどおり入国時にワクチン接種完了を証明する必要があるほか、連邦政府指定の情報登録フォーマットを用いた健康情報の提出が義務付けられる(2022年4月27日記事参照)。

政府は6月10日、ワクチン未接種の渡航者を含む全ての検査を、空港外の別施設で7月1日以降に実施する予定を明らかにしていた(2022年6月13日記事参照)が、オマール・アルガブラ運輸相は、本発表に先がけて同日行われた別の記者会見で、「(検査体制を)空港外へ移すための運営体制整備にもう少し時間が必要なようだ」とコメントしていた(CBCニュース6月29日)。

政府は今後の無作為検査体制について、「空路渡航者に対する空港外での新型コロナウイルス検査は、検査対応可能な店舗、薬局、またはオンラインによる面談の中から選択するかたちへと移行予定」と説明した。なお、陸路の国境地点における無作為検査の義務付けは、これまで同様に継続され、ワクチン未接種の渡航者(注)に対しては、免除対象でない限り、14日間の検疫期間の1日目と8日目に引き続き検査が行われるという。

無作為検査を継続する理由について、政府は「検査制度から得られるデータは、新型コロナウイルスのカナダへの伝播(でんぱ)の現状と傾向を把握するために使用され、検査によって、国民の健康と安全に重大なリスクをもたらす可能性のある懸念すべき新型コロナウイルスの亜種を検出・特定することが可能になる」と説明している。

(注)ワクチン未接種でもカナダへ入国可能な渡航者は、カナダの市民権や永住権保持者などに限定され、外国人就労者として入国するには、カナダ政府の指定職業分野に該当する場合外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを除いて、予防接種を完了している必要がある。

(飯田洋子)

(カナダ)

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