カナダ渡航者の新型コロナ無作為検査、6月30日まで中断、7月以降は空港外施設で再開

(カナダ)

トロント発

2022年06月13日

カナダのオマール・アルガブラ運輸相と、ジャンイブ・デュクロ保健相、ランディー・ボアソノー観光相、マルコ・メンディチノ公安相は6月10日に共同声明を発表し、翌11日から6月30日まで、カナダ国内の全空港で新型コロナウイルス感染の無作為検査義務付けを一時的に停止する外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますことを明らかにした。ワクチン未接種の渡航者は、引き続き検査を受ける必要がある(注)。7月1日以降は、ワクチン未接種の渡航者を含む全ての検査を空港外の別施設で実施予定であることも発表した。

連邦政府は、入国者に対する国境措置を少なくとも6月30日まで延長することを発表したばかり(2022年6月7日記事参照)だが、そのうち無作為検査のみ一時中断に踏み切った。無作為検査以外の国境措置は継続し、入国時にワクチン接種完了を証明する必要があるほか、連邦政府指定の情報登録フォーマットを用いた健康情報の提出が引き続き義務付けられる(2022年4月27日記事参照)。

カナダでは、旅行需要が急拡大する一方、新型コロナ感染拡大で渡航者の出入国検査などを担当する空港職員が削減されたこともあり、出入国者の待機時間が長期化する問題が生じていた。連邦政府は空港職員の増員などを発表したが、空港運営団体は、さらなる緩和措置として空港での強制検査の撤廃などを求めていた(2022年6月7日記事参照)

連邦政府による今回の発表を受け、デュクロ保健相の広報担当官のマリーフランス・プルー氏は「州政府や準州政府が任意のPCR検査実施を中止する中、無作為検査は新しい変異種のカナダへの侵入を検出する唯一の方法であることから、いずれ再開する予定であることに留意してほしい」と語った。さらに、ボアソノー観光相は、無作為検査を3週間中止することで空港外での検査体制準備が可能になるとし、「空港で人の流れをスムーズにするためだ。空港はミニ医療センターとして設計されているわけではないので、措置は空港職員の役に立つとともに、混雑の緩和にもつながる」と述べた(CBCニュース6月10日)。

(注)ワクチン未接種でもカナダへ入国可能な渡航者は、カナダ市民権や永住権保持者などに限定され、外国人就労者として入国するには、カナダ政府の指定分野に該当する場合外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを除いて予防接種を完了する必要がある。

(飯田洋子)

(カナダ)

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