最低賃金を7月から5.2%引き上げ

(オーストラリア)

シドニー発

2022年06月16日

オーストラリアの労使裁定機関であるフェアワーク委員会(FWC)は6月15日、2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)の全国最低賃金を5.2%引き上げると発表した。その結果、7月1日からの最低賃金は時給21.38オーストラリア・ドル(約2,010円、豪ドル、1豪ドル=約94円)、週給812.60豪ドルとなる。2006年以来最大の引き上げ幅となり、最新のインフレ率(5.1%)に応じて最低賃金を引き上げるべきとしていたアンソニー・アルバニージー首相の選挙公約を上回るかたちとなった(2022年5月23日記事参照)。

FWCは今回の決定の背景について、「生活費の急激な上昇と労働市場の力強さを考慮した」と説明した。FWCはまた、職業別に定められた労使裁定における2022/2023年度の最低賃金も4.6%引き上げるとした。

今回の決定を受けて、アルバニージー首相は「われわれが低賃金労働者を支援するために闘ったおかげで、素晴らしい結果を得ることができた」と歓迎した。一方、財界団体オーストラリア産業グループ(Aiグループ)は「インフレを加速させ、さらなる金利上昇につながる可能性がある」と懸念を表明した。

(住裕美)

(オーストラリア)

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