2022年のGDP成長率は6.9%の見通し

(コートジボワール)

アビジャン発

2022年06月27日

コートジボワール経済財政省が5月に発表した統計によると、2022年の同国の実質GDP成長率は6.9%の見通しだ(添付資料表1参照)。2023年以降も中期的に7%台の高い成長を維持することが見込まれる。「2021~2025年国家開発計画」の下で大規模なインフラ投資や公共事業を継続しており、大型予算で積み増しした公共投資や政府支出の拡大とともに、民間投資や個人消費の景気下支えで内需が拡大し、成長を後押しするとみられる。

産業別にみると、生産活動は堅調な内需を反映し、農業、製造業、建設、エネルギー、鉱業、電気通信、運輸、小売流通部門とも、全般に好調な見通しだ(添付資料表2参照)。一方、最大の輸出産品のカカオ豆の生産は、持続可能なカカオ産業政策の一環として年間200万トンの水準に抑制する管理体制を強化しており、減少が見込まれる。製造業では、ウクライナ情勢の影響を受けた世界的なサプライチェーンの混乱による原材料調達の不安定化のほか、ガスや電力価格の高騰が懸念されている。

なお、IMFは2月、コートジボワール経済の下振れリスクとして、新たな新型コロナウイルス変異株の出現や、世界的なサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢、新興国や途上国への資本流入に影響を及ぼす世界金融市場の引き締めなどを要因として挙げた。一方、「コートジボワール経済は、パンデミックに対する極めて高いレジリエンスと、力強い回復の兆候を示している」と評価した。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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