G7サミット、食料危機やエネルギー問題で結束、気候クラブ設立へ

(ドイツ、日本、米国、英国、フランス、イタリア、カナダ、EU、ウクライナ、アルゼンチン、インド、インドネシア、セネガル、南アフリカ共和国、ロシア、中国)

ベルリン発

2022年06月30日

ドイツのバイエルン州エルマウで6月26~28日、G7首脳会議(サミット)が開催された。日本の岸田文雄首相、米国のジョー・バイデン大統領らが出席した。また、ウクライナ、アルゼンチン、インド、インドネシア、セネガル、南アフリカ共和国が招待国として参加。「公正な世界に向けた前進」という全体テーマの下、ウクライナ情勢、エネルギー供給、世界の食料安全保障、気候変動などが主要課題として協議された。

ウクライナ情勢については、「ウクライナ支援に関するG7首脳声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(仮訳PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))で、武器や防衛装備品の供与、財政支援、ウクライナ難民などの人道支援を引き続き行うとした。また、ロシアに対する制裁措置として、特に軍需産業に必要となる生産財へのアクセスのさらなる制限や、ロシア産の金の輸入禁止などの制裁を追加する方針を示した。

世界の食料安全保障に関するG7首脳声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(仮訳PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))では、食料安全保障の強化に向け45億ドルを追加拠出することが示された。ロシアによる侵攻の影響により、ウクライナから穀物などの食料輸送が滞っていることから、世界的な食料危機への懸念が高まっている。このためロシアに対して、ウクライナの食料生産と輸出を妨げる活動を無条件に終えるよう、緊急に要求した。

最終日の28日には、G7首脳による「コミュニケ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(共同声明、仮訳PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))が発表された。コミュニケでは気候変動対策について、パリ協定とその実施へのコミットメントを再確認するとともに、脱炭素化を推進するためのイノベーションの重要性を認識するとした。さらに、議長国ドイツが提唱する「気候クラブ」(注)の2022年末までの設立で合意した。

また現在、世界が直面するエネルギー市場の不安定化と価格高騰は、ロシアによるウクライナ侵攻によるものと指摘。エネルギー価格の高騰を軽減し、経済・社会へのさらなる影響を防止するための追加措置を講じるとした。また、ロシアのエネルギーへの依存から段階的に脱却する意思を再確認するとともに、EUが提唱するエネルギー輸入価格への一時的な上限設定についても歓迎する意向が示された。

外交・安全保障政策では、中国における人権状況について深刻な懸念が示された。強制労働が大きな懸念事項となっているチベットや新疆ウイグル自治区を含め、普遍的人権と基本的自由の尊重を中国に求めるとした。

ショルツ首相は閉会後の記者会見で、「われわれの結束と決意を示した」として、民主主義、人権、平和、自由という価値を共有するG7やパートナー国との団結をアピールした。

なお、会議の締めくくりには、岸田首相が、次回のG7首脳会議を2023年5月19~21日に広島で開催することを表明し、G7首脳から歓迎の意が示された。

(注)「気候クラブに関するG7声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(仮訳PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))参照。ショルツ首相が財務相時代の2021年から提唱。声明では、パリ協定の効果的な実施に向け国際協調し、「特に産業部門に焦点を当てて気候行動を加速させ、野心を高め、それによって国際ルールを順守しながら排出集約財のカーボンリーケージのリスクに対処する」とされた。

(ヴェンケ・リンダート、中村容子)

(ドイツ、日本、米国、英国、フランス、イタリア、カナダ、EU、ウクライナ、アルゼンチン、インド、インドネシア、セネガル、南アフリカ共和国、ロシア、中国)

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