米バージニア州下院予備選、激戦区で共和党では保守派候補が確定

(米国)

ニューヨーク発

2022年06月23日

米国バージニア州で6月21日、11月8日の中間選挙に向け、連邦下院議員、地方議員などの候補者を選ぶ予備選挙が行われた。連邦上院議員のマーク・ワーナー氏、ティム・ケイン氏(いずれも民主党)は改選年に当たらないため、下院議員のみの改選となる。同州では現在、下院で民主党が11議席中7議席と優勢だが、中間選挙の前哨戦と位置づけられた2021年の州知事選で、共和党のグレン・ヤンキン氏が民主党の現職知事(当時)に勝利しており(2021年11月4日記事参照)、大統領選挙で共和党と民主党が拮抗(きっこう)するスイングステート(激戦州)となる可能性が指摘されている。

同州では、5月7日以降に予備選あるいは党大会が開催されたか、不戦勝により候補者が既に確定している選挙区を除き、共和党が第2,3,6,7区、民主党が第8区で候補者選出を行った。中でも、共和党の巻き返しの可能性が報じられている第2区では、全米ライフル協会(NRA)などが支持する州上院議員の共和党ジェン・キーガンズ氏が確定。中間選挙では、元海軍司令官で「1月6日の議会襲撃の調査の下院特別委員会」(注)のメンバーでもある民主党の現職議員エレイン・ルーリア氏と対戦する。同様に本選での激戦が予想される第7区でも、テキサス州上院議員のテッド・クルーズ氏らが推薦する保守派で地元警察関係者の共和党イェスリ・ベガ氏が確定し、現職の民主党議員アビゲイル・スパンバーガー氏と戦うこととなった。第3区では元空軍の共和党テリー・ナムカン氏が確定、第6区ではドナルド・トランプ前大統領が推薦する現職の共和党ベン・クライン氏が得票率8割以上で圧勝した。これにより、621日に予備選が行われなかった第1、5、9区の候補を含め、同州でトランプ氏が推薦する4議員全員が中間選挙に進出することとなった。また民主党第8区では、現職のドナルド・ベイヤー議員が確定した。

(注)2020年の大統領選挙の結果をめぐって2021年1月6日に発生した米議会議事堂への攻撃を調査するために設立された特別委員会。

(大原典子)

(米国)

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