第1四半期のGDP成長率、前期比0.5%、前年同期比では4.9%

(ベルギー)

ブリュッセル発

2022年06月08日

ベルギー国立銀行(中央銀行)は5月31日、ベルギーの2022年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率を前期比で0.5%(季節調整済み)、前年同期比では4.9%と発表(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))した(添付資料表参照)。2021年11月以降の新型コロナウイルスの感染拡大第4波の影響により経済成長がやや減速した2021年第4四半期(10~12月)(2022年3月4日記事参照)に引き続き、緩やかな成長で推移している。

2022年第1四半期のGDP成長率(前期比)を需要項目別にみると、内需については、公的部門の需要の落ち込みを民需が補うかたちとなった。国内総固定資本形成は、前期のマイナス2.2%から1.0%となり、うち、特に好調だったのは民間企業による設備投資で前期のマイナス2.8%から2.7%に大きく拡大。海外での造船業の取引が活発化したことが主な要因だった。また、住宅投資も堅調に推移し、2.9%となった。一方、公共投資は、防衛省による調達を背景として過去2四半期は拡大傾向にあったが、その反動からマイナス13.1%と大幅に落ち込んだ。

民間最終消費支出は、自動車を中心に耐久消費財への支出が大きく減少したものの、非耐久消費財の消費が拡大した結果、前期のマイナス0.8%から0.5%へとプラスに転じた。一方で、政府最終消費支出は前期の0.2%からマイナス2.5%に後退した。

財貨・サービスの輸出と輸入は、ロシアによるウクライナへの侵攻や物価の高騰など先行きの不透明性を背景に、それぞれ前期比でマイナス0.9%、マイナス1.1%となり、7四半期ぶりに減少に転じた。輸出よりも輸入の落ち込みが大きかった結果、純輸出はGDPを0.1ポイント押し上げた。

産業別にみると、建設業とサービス業は、前期比でそれぞれ0.7%、0.8%のプラス成長となった。一方、工業(建設業を除く)は前期の2.7%からマイナス0.7%に転じた。

2022年第1四半期の雇用は、総雇用者数は前期から3万100人増加し、雇用率は前期比で0.6ポイントの改善、前年同期比でも2.5ポイントの改善となった。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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