佐鳥電機、地場半導体卸販売業者とインド市場に本格参入

(インド)

ニューデリー発

2022年06月23日

電子部品の卸売販売や各種機器向けのソフトウエア開発、システムの設計・試作などを手掛ける佐鳥電機株式会社(本社:東京都港区)は、同社が取り扱う車載用センサーIC商材を手始めに、インド国内の出資先であるSMエレクトロニクスの顧客に対して、本格的に営業活動を開始したことを明らかにした(ジェトロによる取材:6月10日)。同社は2022年4月にSMエレクトロニクスの株式を25.1%取得し、業務提携を開始していた(同社プレスリリース1月14日PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)2月18日PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)4月14日PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

出資先であるSMエレクトロニクスは、ローカル二輪メーカーや日系企業など、インド全域に顧客基盤を有する電子部品卸売販売業者だ。佐鳥電機によると、商社でありながら、開発支援を得意とする技術者を多く抱えており、特定部品の販売のみならず、周辺部品の設計や調整までを含めたメーカーへの技術サポートが可能なことが特徴だという。インド市場への参入を目指す佐鳥電機と、さらなる事業拡大を目指すSMエレクトロニクスの意向が合致し、業務提携に至った。

佐鳥電機は、同業者との競合などにより、日本国内の電機メーカーや自動車メーカーへの販売機会が漸減していく中で、長年、海外における事業拡大を経営戦略上の重要な項目の1つとして推進してきた。既に台湾や香港、韓国、シンガポール、ドイツなどに拠点を有しているが、さらなる企業価値の向上を図るうえで、市場としてポテンシャルの高いインドに着目し、2年以上をかけて市場参入に向けて準備を進めてきたという。

当面は、佐鳥電機が保有する開発ノウハウや取り扱い製品の展開を行いながら、SMエレクトロニクスを通じ、インドローカル企業への半導体製品などの販売を行う。中長期的には、SMエレクトロニクスと協業で新規事業開発を行うことなども視野に入れながら、人材交流などを通じて、互いの企業価値を高めていく狙いだ。

写真 SMエレクトロニクス新事務所(プネ)にて(佐鳥電機提供)

SMエレクトロニクス新事務所(プネ)にて(佐鳥電機提供)

(高際晃平)

(インド)

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