米イリノイ州、外来魚ソウギョの名称を一新、食用として売り込みへ

(米国)

シカゴ発

2022年06月30日

米国イリノイ州天然資源局(Illinois Department of Natural Resources:IDNR)は6月22日、五大湖の生態系を脅かしている外来種のソウギョ(英語名アジアン・カープ、注)の名称を新しく「コピ(Copi)」とすると発表した。人種差別的とも言われる名称と「(まずくて食用にならないので)ゴミ箱に捨てる魚」というイメージを一新し、食用魚としての需要を喚起することで、五大湖に元来生息する魚の個体数の減少を食い止め、下流の生態系バランスの回復につなげたい計画だ。

「コピ」という名称は、2年以上にわたる消費者に対する調査や、科学者、魚や食品業界の専門家による徹底的なマーケティング調査の結果、何百もの候補の中から選ばれた。これは英語の「大量の(copious)」をもじったもので、その名のとおりコピは個体数が多く、魚体も大きい。推定では、イリノイ川だけで毎年9,000トンから2万3,000トンのコピが捕獲され、中西部からメキシコ湾岸にかけての流域ではさらにその数倍が捕獲される可能性があるという。

IDNRはコピを消費者に食用魚としてアピールするためのオフィシャルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開設し、さまざまなレシピを紹介している。また、五大湖やその周辺で捕獲されることから、食卓に上るまでに二酸化炭素排出による環境負荷が少ない上、水銀をほとんど含まない安全で栄養が豊富な魚であることを強調している。さらに、今回の発表では、地元のシェフや小売業者、加工業者などとも連携し、レストランや店舗でコピを提供するとしており、消費者がコピを購入または実食できる店舗のリストを掲載している。

新名称の普及目指す

イリノイ州は、2022年末までに米国食品医薬品局(FDA)に「アジアン・カープ」を「コピ」とする正式な名称変更を申請する予定だ。IDNRのケビン・アイアンズ氏は「連邦政府の承認を得る条件の中に、その名称が広く使用されていることがある。これが今日の発表が非常に重要な理由の1つだ」とし、「五大湖を救うために誰もができることが1つある。それはこの魚をコピと呼ぶことだ」と述べた。

(注)米国南部の州で、養殖場の滞留池を清潔に保つために東南アジアから輸入されたが、1970年代の洪水や事故などで河川に逃れて増殖。ミシシッピ川流域をさかのぼり、現在は五大湖周辺までに分布する。コイの一種。

(星野香織)

(米国)

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