ASEANのDXや最新ビジネス事情を議論、日ASEANビジネスウィーク

(ASEAN、日本)

アジア大洋州課

2022年06月03日

ジェトロは6月2日、経済産業省などが主催する「日ASEANビジネスウィーク外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、日本企業のASEAN進出状況や最新ビジネス事情などをテーマとしてセミナー・パネルディスカッションを行った。アジアのデジタル・トランスフォーメーション(ADX)や社会課題の解決を行う日本企業や、ASEANに所在する日本人商工会議所・商工会の代表らが登壇した。

佐々木伸彦ジェトロ理事長は冒頭あいさつで、世界的な供給制約や物流の混乱を背景したビジネス環境の不確実性が、製造業投資の停滞につながっていると述べ、貿易と投資の両面で日本の存在感が低下している近況に触れた。その上で、「従来の低コスト生産を重視した投資から、質の高い投資にシフト」しないとASEANの成長に追いついていけないとした。

ADX・社会課題のセッションに登壇したメドリング外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの安部一真CEOは、医療機関の連携が不十分で電子化されていないベトナムの医療に関して、クラウドやAI技術を活用した診療支援・医療データの連携などを行う事業を説明した。また、モデル施設として2020年にベトナム・ハノイに開設した自社のクリニックや、連携病院の取組み事例などを紹介した。また、日本の農産品の輸出販売やブランディングに取り組む日本農業外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの飯塚崇矩 海外農業部長は、タイ農村の農家収入拡大を目指し、DXを活用した、イチゴのハウス栽培を行うプロジェクトを紹介した。さらに、台風などの強風にも耐性があり、環境にも配慮した小型の次世代型風力発電機を開発するチャレナジー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの水本穣戸 執行役員・CSO(営業・マーケティング)が電力インフラが脆弱(ぜいじゃく)なフィリピンの離島における風力発電の実証事業を紹介した。

ASEANの最新ビジネス事情とビジネス環境のセッションでは、ASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)のメンバーであるカンボジア日本人商工会(JBAC)、ラオス日本人商工会議所(JCCIL)、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)、フィリピン日本人商工会議所(JCCIPI)、シンガポール日本商工会議所(JCCI)、バンコク日本人商工会議所(JCC)の代表がそれぞれの国の投資機会と魅力について説明し、各国の産業政策や注目産業、消費市場の状況などについてパネルディスカッションを実施した。

(山城武伸)

(ASEAN、日本)

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