マレーシアの景況感、2四半期連続でプラスもペースは緩やかに
(マレーシア)
アジア大洋州課
2022年06月08日
マレーシア統計局は5月26日、業績動向調査(注1)の結果、2022年第2四半期の景況感指数(注2)がプラス3.5となったことを発表した(添付資料表1参照)。前期のプラス7.6より下がったものの、2期連続のプラスとなった。業種別にみると、卸売・小売業がプラス15.5と前期(プラス4.0)から景況感が大幅に改善した。また、サービス業はプラス5.6だったが、前期と比べてプラス幅が低下した。保険業や宿泊業の景況感は好調だが、輸送・倉庫業が引き続きマイナス、不動産業や情報通信技術業などではマイナスに転じた。工業は、前期のプラス12.2からプラス0.8に低下した。製造業はプラスを維持(3.8)したが、農業や鉱業がマイナスに転じた。他方、建設業はマイナス23.2と悲観的な傾向が続いた。
統計局のモハマド・ウジル・マヒディン主任統計官は声明において、2022年第2四半期の景況感指数が2期連続でプラスとなったものの、ペースが緩やかだったと指摘。「国境再開により経済活動の活発化が見込まれるものの、インフレ圧力、サプライチェーン、労働力不足の問題があり、業績見通しには依然として慎重な見方が続いた」とした。
また、2022年第2~3四半期の業績見込みについて、前期(2021年第4四半期~2022年第1四半期)と比較して「改善」とする回答から「悪化」とする回答を引いた割合はプラス25.0になり、前回調査の2022年第1~2四半期より増加した(添付資料表2参照)。卸売・小売業が50.0、サービス業が23.6、工業が22.1とプラスを維持し、いずれも前回調査より楽観的な見通しとなっている。
(注1)本調査は、マレーシア統計局が四半期ごとに実施している調査で、今回は国内にある631社の経営層が回答した。
(注2)生産量、発注量、従業員数など業績に関わる項目について、ポティブな回答(改善、増加)からネガティブな回答(悪化、減少)を差し引いた数字の平均値。
(山口あづ希)
(マレーシア)
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