2021年度GDP成長率は8.7%

(インド)

ニューデリー発

2022年06月10日

インド統計・計画実施省(MOSPI)は5月31日、2021年度(2021年4月~2022年3月)の実質GDP成長率(2011年基準)推計値を8.7%(2020年度マイナス6.6%)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。2021年度GDP総額は147兆3,552億ルピー(約250兆5,038億円、1ルピー=約1.7円)と、新型コロナウイルス感染拡大の影響をほとんど受けていない2019年度総額(145兆1,596億ルピー)を上回った。新型コロナ禍による厳格なロックダウンで経済活動が停滞し、マイナス成長を余儀なくされた前年度(135兆5,847億ルピー)からV字回復を果たした(2021年6月7日記事参照)。

2021年度の成長率を需要項目別にみると、多くの項目でマイナス成長だった前年度から一転し、ほとんど全ての項目でプラス成長となった。特に設備投資や個人消費の需要回復に伴い、企業の設備投資など投資活動を示す総固定資本形成が15.8%(前年度:マイナス10.4%)、個人消費を示す民間消費支出は7.9%(同マイナス6.0%)と、プラス成長を牽引した(添付資料表1参照)。

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率では、全部門でプラス成長を果たした。「鉱業・採掘」は11.6%(同マイナス8.6%)、「建設」は11.5%(同マイナス7.3%)、「貿易・ホテル・運送・通信・報道関連サービス」は11.1%(同マイナス20.2%)、「公共・防衛・その他サービス」は12.6%(同マイナス5.5%)と、軒並み2桁成長を果たし、「製造」も9.9%(同マイナス0.6%)の高水準となった(添付資料表2参照)。

一方、四半期ベースでみると、2021年度第4四半期(2022年1~3月)のGDP成長率は4.1%(前年度同期2.5%)と、6四半期連続でプラス成長を維持した。他方、1~2月の新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大や中長期的な半導体不足の影響などにより、3四半期連続で伸び率が鈍化する結果となった。産業部門別のGVA成長率は、「製造」を除く部門がプラス成長を維持した(添付資料表3、表4参照)。

(高際晃平)

(インド)

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