2020年度GDP成長率はマイナス7.3%

(インド)

ニューデリー発

2021年06月07日

インド統計・計画実施省(MOSPI)は5月31日、2020年度第4四半期(2021年1~3月)の実質GDP成長率(2011年基準)推計値を前年同期比1.6%、2020年度(2020年4月~2021年3月)の実質GDP成長率(2011年基準)推計値をマイナス7.3%と発表した(添付資料表1、3参照)。新型コロナウイルス感染拡大の影響という特殊要因があったとはいえ、現基準で統計を取り始めた2011年以降、年度では初のマイナス成長となった。

2020年度成長率を需要項目別にみると、個人消費を示す民間消費支出がマイナス9.1%、企業の設備投資など投資活動を示す総固定資本形成がマイナス10.8%と、「新型コロナ禍」の影響を強く受けた。産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率をみると、好天候と政府の緊急対策支援により、農林水産部門は3.6%成長と堅調だった。電力・ガス・水道部門も1.9%のプラス成長を確保したが、それ以外は全てマイナス成長となった(添付資料表4参照)。特に、人の動きや観光に関連する貿易・ホテル・運送産業への痛手は大きく、マイナス18.2%となった。主要産業の鉱業(マイナス8.5%)、製造業(同7.2%)、建設(同8.6%)も軒並み減少した。

一方、四半期ベースでみると、2020年度第4四半期の回復基調は明白だった。需要項目別成長率は全ての項目でプラス成長を記録し、特に、総固定資本形成は前年同期比10.9%成長と回復が顕著となった。政府最終消費支出も、政府の財政出動の成果もあり、同28.3%となった。

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率でみると、鉱業と貿易・ホテル・運送・通信はマイナス成長から抜け出せなかったものの、回復基調にあり、製造業は前年同期比6.9%、建設業も14.5%と好調で、2021年度(2021年4月~2022年3月)の経済回復に向けて、明るい兆しがみられた(添付資料表2参照)。

しかし、3月中旬以降の新型コロナウイルス感染第2波による新規感染者の急増により、インド経済は再び大きな打撃を受けている。4月以降、各州別に外出禁止などの厳格なロックダウンが敷かれたことで、販売店の休業やショッピングモールなど商業施設の閉鎖により、消費は著しく停滞している。その結果、2021年度第1四半期の成長が鈍化することは必至だ。2021年度の経済成長は6月以降のインドの感染状況の推移次第といえる。

(村橋靖之)

(インド)

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