アルマトイ空港新国際線ターミナル建設始まる

(カザフスタン)

タシケント発

2022年06月08日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は6月1日、カザフスタン最大都市アルマトイで、TAVエアポーツ・ホールディングが進めるアルマトイ国際空港新国際線ターミナル建設の起工式に参加した(大統領府ウェブサイト6月1日)。

国際線ターミナル建設の総投資額は2億ドル。ターミナル完成により空港の年間利用者は1,400万人に倍増する見通し。アルマトイ空港では国内線と国際線を1つのターミナルで運航しており、国内、国際航空便の増加により手狭となっていた。建設予定の施設は国際線専用、既存の施設は国内線専用ターミナルとして利用される。新ターミナル完成は2024年夏となっている。

トカエフ大統領は起工式で「アルマトイ空港は戦略的施設の1つであり、カザフスタンの空の玄関口」と述べ、最先端技術を備え、国際基準を満たした施設が遅延なく完工することが重要との認識を示した。

TAVは1997年に設立されたトルコ企業。東欧や中東を中心に空港運営を世界的に展開している会社で、空港関連施設の建設と管理に実績を持つ。アルマトイ空港はオランダ系「ビーナス・エアポート・インベストメンツ」が所有していたが、2019年11月にTAVへの売却交渉がまとまり(2019年11月28日記事参照)、TAVが2021年4月末に85%の株式を取得した。

カザフスタン政府はアルマトイ空港をハブ空港として重視し、投資や観光の誘致を活性化させるため、アルマトイ市での税還付制度の試験的導入(2019年9月19日記事参照)など、インバウンド需要を見越した政策を進めてきた。新型コロナウイルスのまん延により一時的に停滞したが、アフター・コロナをにらみつつ、国内線の往来は活発になっており、国際線も徐々に運航を再開している。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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