外国人観光客誘致に向け、秋にも免税制度を試験的にスタート

(カザフスタン)

タシケント発

2019年09月10日

カザフスタン文化スポーツ省は8月23日、2019年秋(注1)から旅行者(非居住者)に対するVAT(付加価値税、カザフスタンでは12%)の税還付制度(タックスフリー)を試験的に導入すると発表した。

対象はアルマトイ市にある高級ショッピングモール「エセンタイ・モール」での食料品を除くほとんどの商品で、1回の購入額は20MCI〔注2、約5万テンゲ(約1万4,000円)、1テンゲ=約0.28円〕以上。カザフスタン政府が策定した「観光産業発展のための国家プログラム2025」では、タックスフリー制度は2022年から導入予定とされている。

出国時の税還付業務はスイスのグローバル・ブルーが行う。「エセンタイ・モール」は富裕層や外国人観光客が多く訪れる買物スポットで、各種高級ブランド品がそろう。1日の平均来客数は1万5,000~1万8,000人で、1回の平均購入金額は9万5,000テンゲ。外国人観光客による購入額の全体に占める割合は1%程度だが、免税効果で2019年末までに5~10%、2022年末までに20%増加すると同モールでは予測している(ポータルサイト「インフォームビューロ」8月28日)。

文化スポーツ省は今後、免税制度を首都ヌルスルタンとアルマトイ、シムケントを皮切りにカザフスタン全土に導入し、年間30万人のインバウンド需要を見込んでいる。

(注1)省令は8月15日付で発効しているが、8月30日現在、導入開始の正確な日付は明らかになっていない。

(注2)MCI(月計算指標):カザフスタンで国家予算を算出する際に用いられる指標。2019年1月1日からは1MCI=2,525テンゲ。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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