米テキサス州パーミアン盆地でのCCS実現可能性調査、米の2社が合意

(米国)

ヒューストン発

2022年06月08日

石油・天然ガスの開発・生産向けの土地管理を手掛ける米国のテキサス・パシフィック・ランド(本社:テキサス州ダラス、以下TPL)と二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業を手掛ける米国のマイルストーン・カーボン(本社:テキサス州ヒューストン、以下MC)は6月1日、TPLがテキサス州パーミアン盆地に所有する区画において、CCS事業の実現可能性調査の実施に向けた同意書を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。パーミアン盆地は国内有数のシェール・オイルおよびシェール・ガスの生産地として知られている。

TPLは、テキサス州西部に約88万エーカー(約3,600平方キロ)の土地を所有する同州最大の土地所有者の1社で、その所有地の大部分はパーミアン盆地に集中している。

MCは、パーミアン盆地の約2万1,000エーカー(約85平方キロ)を対象にCCS事業の実現可能性の評価を行い、その評価結果によってはCCSプロジェクトに関連して同地域の開発を行う可能性があるとしている。

MCのガブリエル・リオ社長兼最高経営責任者(CEO)は「当社は、産業界の脱炭素化を実現する環境インフラを開発・所有・運営するために設立された。パーミアン盆地におけるCCSインフラを開発するために、TPLと協働できることをうれしく思う」と述べている。また、TPLのタイラー・グローバーCEOは「当社が有する広大な土地は、CO2を永久的に貯留するための重要な資源となる可能性がある。CO2の回収は、環境に貢献しながら株主に価値をもたらすという、2つの目的を果たすことができる貴重な機会だ」と述べている。

米国でのCCSに向けた最近の事例として、2022年5月24日に、米国石油ガス開発のタロス・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン)、CCS開発のカーボンバート(本社:デラウェア州ドーバー)、シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)の3社がテキサス州東部ジェファーソン郡沖合のバイユーベンドCCS事業についての正式契約を締結したと発表した(2022年5月27日記事参照)。また、2022年5月23日には、米国エネルギー企業センプラの子会社センプラ・インフラストラクチャー(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)がルイジアナ州でのCCS事業について、フランスのトタルエナジーズや三井物産、三菱商事と参加契約を締結したと発表している(2022年5月26日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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