ムハンマド皇太子がトルコ訪問、2国間関係の改善に期待

(サウジアラビア、トルコ)

リヤド発

2022年06月24日

エジプト、ヨルダン、トルコを歴訪していたサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は6月22日、ヨルダンから最後の訪問先であるトルコに到着し、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領と会談を行った。

サウジアラビアとトルコの2国間関係は、2017年のサウジアラビアとカタールの断交時にトルコがカタールを支持したことや、2018年10月にトルコで発生したサウジアラビア人ジャーナリスト殺害事件以降、政治的に冷え込んでいた。今回の訪問は、ジャーナリスト殺害事件の審理が2022年4月にトルコの裁判所からサウジアラビアに移管され、同月末にエルドアン大統領がサウジアラビアを訪問したことに続いて、実現した。

サウジアラビアとしても、ともにG20のメンバーであるトルコとの長引く不和を解消したいという意向がみられていた。欧米のメディアでは、7月に予定されている米国のジョー・バイデン大統領のサウジアラビア訪問(2022年6月15日記事参照)を前に、中東諸国との関係強化を図るとともに、域内での自国のプレゼンスを再確立したい意図があるとの報道もなされている。

経済的にも、一時サウジアラビア国内でトルコ製品の不買運動がおこり、ビジネス界もトルコとのビジネスやトルコへの渡航を控えるよう非公式のコメントを発表していた(2020年10月13日付地域・分析レポート参照)。こうした背景もあり、2019年にサウジアラビアの輸入相手国11位として119億4,500万リヤル(約4,300億円、1リヤル=約36円)あったトルコからの輸入(出所:サウジアラビア中央銀行)は、2021年には4億8,600万リヤルにまで落ち込んでいた。

今回の会談では、こうした両国関係の冷え込み打開を図るべく、ともにG20のメンバー国である両国の経済的潜在性を評価し、政治、経済、防衛、安全保障、文化など幅広い分野での関係強化について話し合われたとされる。具体的には、石油化学、エネルギー効率、再生可能エネルギー、水素、気候変動、人工知能(AI)、デジタル技術などの広範な分野でのビジネス促進や、科学技術、防衛、観光、保健分野での協力が確認されたとしている〔2022年6月22日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

また、皇太子のトルコ訪問に先だち、内務省は6月20日、新型コロナウイルスの感染拡大状況を理由に、これまで禁じていたサウジアラビア国民のトルコ渡航解禁も発表した(6月20日付SPA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(柴田美穂)

(サウジアラビア、トルコ)

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