米マクダーモット、超深海海洋開発建設船アマゾン号の就航を発表

(米国)

ヒューストン発

2022年06月20日

米国エネルギー関連エンジニアリング大手のマクダーモット・インターナショナル(本社:テキサス州ヒューストン、以下マクダーモット)は6月17日、水深1,500メートル以上の超深海での石油ガスパイプライン設置が可能となるように改造された海洋開発建設船「アマゾン号」の就航を発表した。

アマゾン号は、全長約200メートル、幅約32メートル、深さ約15メートルの大型船で2014年に建造されている。マクダーモットは、アマゾン号を含めて9隻の海洋開発建設船を保有しているが、超深海での建設作業に対応できる船舶をこれまで保有していなかった。そこで、同社は2018年7月に、超深海3,500メートルでの海底パイプラインの設置が可能となるよう、J-レイ工法(注)による敷設が可能なアマゾン号の改造計画を発表した。

同船は、一般的な建設船よりも多い計1万トン分のパイプラインを船内に搭載できる。さらに、船上での作業領域が格段に増えたことで、現場でのパイプラインの接合作業がしやすくなるなどのメリットがある。

マクダーモットの海底・浮体施設部門のシニア・バイス・プレジデントであるマヘッシュ・スワミナサン氏は「世界中の顧客が、超深海プロジェクトを実現するために、この画期的な本船に期待している」「改造された本船により、海底でのパイプライン設置が多様化し、より安全で高品質なサービスを提供することができる」と述べている。

(注)一般的に、浅海または深海にパイプラインを敷設する際には建設船の後部から、パイプラインを海底に向けてほぼ水平方向にパイプラインを垂らし、海底に敷設する方法が採用される。超深海にパイプラインを敷設する際には、J-レイ工法が採用され、パイプラインを海底に向けて垂直または斜めに下ろして敷設作業が行われる。この時、海底に入っていくパイプラインの形状がJ字型の弧のようになっている。

(沖本憲司)

(米国)

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