環境会議を開催、健全な地球環境に向けた行動加速へ提言発表

(スウェーデン、米国)

ロンドン発

2022年06月14日

環境会議「ストックホルム+50」が、6月2日から3日にかけてスウェーデン・ストックホルムで開催された。会議は、4つの本会議と3つのリーダーシップ会議で構成され、健全な地球環境と人類の繁栄の実現に向けた行動や新型コロナからの持続可能かつ包括的な復興、持続可能な開発の環境分野の実行加速などが議論された。各国首脳は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実施を加速させるため、環境に配慮した行動を積極的にとるよう世界に呼びかけた。閉会式では、共催国であるスウェーデンとケニアが、10の提言が盛り込まれた「ストックホルム・アジェンダ」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。提言には、クリーン、健全かつ持続可能な環境に対する権利を認識し実行すること、現在の経済システムの仕組みを変えること、影響の大きい業種の変革を加速させることなどが含まれている。

ストックホルム+50の事務局長で、国連環境計画事務局長のインガー・アンダーセン氏は、世界が変わらなければ、気候変動、自然・生物多様性の損失、汚染・廃棄物という地球規模の危機が加速してしまうと述べた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、全ての人々、特に貧しいコミュニティ、女性、先住民、次世代の人々がクリーンかつ健全な環境を享受する権利を、人権として受け入れるよう各国に促した。

スウェーデンと米国、プラスチック汚染削減に向け会議

これに先立つ6月1日、スウェーデン政府と米国政府はプラスチックによる汚染を削減しリサイクルを拡大するため、他国政府や企業を招き、プラスチックをより持続可能なものとするための資金調達について会議を開催した。削減には、官民の資金が必要とするとともに、企業側がよりリサイクルのしやすいプラスチックの設計を開発することが不可欠とした(スウェーデン政府の同日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

スウェーデン政府は2022年2月に、プラスチックに関する国家行動計画を開始。計画には、事業者に対し、飲食物の販売時にプラスチックを15%以上含む使い捨て飲料容器の使用を禁止することや、再利用可能な飲料容器や弁当箱を提供することを義務付ける措置などが含まれる。また、2030年までにプラスチック包装に平均で30%以上のリサイクル原料を使用する目標も掲げている(2022年5月24日付地域・分析レポート参照)。

(島村英莉、篠崎美佐)

(スウェーデン、米国)

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