5月の自動車生産、輸出は好調も自動車部品の供給に不安

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年06月10日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は6月3日、2022年5月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数および輸出台数を発表した。生産台数は前月比5.9%増、前年同月比32.8%増の4万6,422台、輸出台数は前月比2.4%減、前年同月比34.4%増の2万6,781台だった(添付資料「図1 自動車生産台数の推移」、「図2 自動車輸出台数の推移」参照)。輸出はブラジル向けが好調で、輸出台数全体を大きく押し上げた(添付資料表参照)。

生産台数、輸出台数ともに前年比で大きく伸びたが、ADEFAは「物流の混乱、半導体不足といった世界規模の問題、(資本取引規制など)国内の問題の長期化は事業に影響を与え、成長を阻害することになるため、状況を注視する」としている。5月21日付け現地紙「クラリン」(電子版)は、2022年3月に導入された資本取引規制の強化により自動車部品の輸入が困難になっている問題(2022年5月10日記事参照)について、自動車生産への影響を回避するため、自動車メーカーが自動車部品メーカーに、輸入代金決済用の外貨を貸し付けることで対応すると報じている。

自動車の国内販売は、2021年8月以来初めて前年同月比でプラスに転じた。とはいえ、需要に供給が追い付いていない状態が続いている。アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、2022年5月の自動車国内販売(新車登録)台数(バス・トラックを含む)は、前月比10.2%増、前年同月比53.0%増の3万3,988台だった(添付資料図3参照)。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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