2022年4月の自動車生産は好調も5月以降の生産活動に不安

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年05月10日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は5月4日、2022年4月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数および輸出台数を発表した。生産台数は前月比10.1%減、前年同月比49.5%増の4万3,826台、輸出台数は前月比11.4%増、前年同月比73.1%増の2万7,431台だった(添付資料図1、図2参照)。輸出はブラジル、中米向けが好調だった(添付資料表参照)。

生産台数は2022年1月以降堅調だが、ADEFAは「資本取引規制に起因する輸入制限、世界的な半導体不足、物流費の高騰の影響を受けている」と述べ、今後の生産を懸念する。

自動車産業界は、3月3日に公布された中央銀行通達7466により導入された資本取引規制(2022年3月14日記事参照)の影響で、原材料の輸入が滞っている。完成車メーカーの間では、国内自動車部品メーカーからの部品納入に支障が生じ、生産ラインが停止する、との懸念が高まっている。現地ネットメディアの「インフォバエ」(5月8日付)によると、ADEFA、アルゼンチン自動車部品工業会(AFAC)、自動車機械労働組合(SMATA)は4月25日、中銀総裁に宛てて連名で文書を送り、「5月には部品納入に支障が生じる可能性がある」として、問題の解決を促した。

自動車の国内販売は、8カ月連続で前年同月を下回った。需要に供給が追い付いていない状態が続いている。アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、2022年4月の自動車国内販売(新車登録)台数(トラック・バスを含む)は、前月比8.5%減、前年同月比3.2%減の3万554台だった(添付資料図3参照)。新車の販売価格は物価上昇率を上回って上昇しているが、それでも需要は衰えていない。車種によっては納車まで6カ月から1年待ちの状態で、中古車の価格が新車の価格を上回る状態が続いている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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