米連邦海事委員会、国際海上輸送のサプライチェーン改善に向けたイニシアチブ発表

(米国)

ロサンゼルス発

2022年06月20日

米国連邦海事委員会(FMC、注)は6月8日、国際海上輸送のサプライチェーン改善に向けた新たな3つのイニシアチブを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

FMCは、新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した国際海上輸送におけるサプライチェーン問題の実態を調査しており、今回発表されたイニシアチブは、5月31日に公表された同調査の報告書である「事実調査29最終報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、報告書)の中の提言に含まれている。3つのイニシアチブとその概要は以下のとおり。

(1)「国際海上輸送サプライチェーン・プログラム(International Ocean Shipping Supply Chain Program)」の新設

FMCは、「国際海上輸送サプライチェーン・プログラム」を通じて、サプライチェーンのどこに問題があるかを特定し、輸送の自由な流れを阻害するものを是正するための措置を提案するとしている。報告書では、米国の国際的な海上輸送サプライチェーンが複雑かつ相互依存的であることが個々の問題の解決を難しくしている、と指摘しており、FMCがこうした問題の把握と対処に適した立場にあるとした上で、「国際海上輸送サプライチェーン・プログラム」の実行に向けて専門的な部署の設置を求めている。

(2)輸出迅速対応チーム(Export Rapid Response Team)の再確立

報告書では、荷主と海上輸送業者の緊急的な商業上の紛争の解決に効果的に活用されてきた消費者問題・紛争解決サービス(Consumer Affairs and Dispute Resolution Services)の枠組みが、海上輸送業者の最高経営責任者(CEO)レベルの関与が希薄になったことで次第に機能しなくなった、と指摘。FMCは、海上輸送業者のCEOによる関与の下、「輸出迅速対応チーム」を再び確立し、緊急の商取引上の紛争を解決するために荷主が利用できる専用のリソースを提供するとしている。報告書によると、FMCでは、すでに主要な海上輸送業者のCEOからプログラムへの関与の内諾を得ている。

(3)FMCコンプライアンス・オフィサーの設置

FMCは、2020年5月に超過保管料と返却延滞料の慣行を明確化した新たなガイドラインを出したにもかかわらず、荷主やトラック運転手に過剰な超過保管料と返却延滞料が課されている現状を踏まえ、海上輸送業者、海上ターミナル事業者、港湾事業者は、米国に拠点を置く最上級管理職の直属の部下としてFMCコンプライアンス・オフィサーを任命し、業界全体で法令や規制を順守する体制の確立を求めている。

FMCが今回発表したイニシアチブは、現下のサプライチェーン問題の解決に直ちに効果を及ぼすことはないとみられるが、中長期的には米国における国際海上輸送サプライチェーンの円滑化に資すると期待される。

(注)米国連邦海事委員会は、米国の輸出業者、輸入業者および消費者の利益のために、米国の国際海上輸送システムを規制する責任を負う独立した連邦政府の行政機関。

(永田光)

(米国)

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