「緊急マクロ経済金融会議」を開催、米FRB利上げ決定への対応を確認

(韓国)

ソウル発

2022年06月20日

韓国のチュ・ギョンホ経済副総理兼企画財政部長官は6月16日、米国連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に伴う市場状況を点検し、今後の経済・金融状況への対応の方向性を議論するため、緊急マクロ経済金融会議を主宰した。

会議では、米国連邦準備制度理事会(FRB)による0.75ポイントの大幅な利上げ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、サプライチェーンの混乱などにより、韓国経済は複合的リスクに直面しており、厳しい経済状況が相当期間継続するとの認識を共有した。

また、今後、物価に関する不確実性が長期化する場合、景気後退への懸念から国際金融市場が不安定化する可能性があるため、為替、外国人投資家の資金フロー、国内金利などに及ぼす影響を注視しながら、最大限の警戒感をもって対応していく必要があるとの見解で一致した。

上記リスクに対応するため、今後の対応として以下の3つの方向性を決定した。

1.物価の安定

物価の安定に重点を置いた金融政策を実施し、供給面においても原価負担の軽減、期待インフレ率の拡大防止など多角的な対応により、物価上昇圧力を最大限抑制する。

2.市場変動性の緩和

ウォンの過度な変動に対し、最大限の警戒感を維持し、心理的な過剰反応による集中現象が深刻化しないよう努力する。特に債券市場で過度に反応がある場合、政府による緊急買戻し、韓国銀行による国債買い入れなどを適切に実施する。

3.金融リスクの管理

個別の金融機関の健全性・流動性などを集中的に点検し、金融システムリスクを予防する。

(当間正明)

(韓国)

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