英ウッド、米キャメロンLNG拡張プロジェクトで設計契約受注

(米国、英国)

ヒューストン発

2022年06月30日

英国の大手設計エンジニアリング会社ウッド(本社:アバディーン)は6月29日、米国ルイジアナ州にある液化天然ガス(LNG)生産・輸出施設のキャメロンLNG拡張プロジェクトの設計契約を受注したと発表した。キャメロンLNGは米国センプラが50.2%、三井物産、ジャパン・LNGインベストメント(三菱商事と日本郵船の共同出資企業)、フランスのトタルエナジーズの3社がそれぞれ16.6%を出資して設立された共同出資企業。キャメロンLNGが保有・運営するキャメロンLNG基地で、LNGを生産・輸出する事業は2019年5月から本格化しており、第1フェーズ(第1~第3系列、各400万トン)で年間1,200万トンの天然ガスを液化生産・輸出する(2019年10月31日記事参照)。

今回発表された契約には、第1~3系列の生産能力向上および、年間生産能力約675万トンの第4系列のLNG生産設備に関する設計契約が含まれている。また、第4系列の開発については、米国エネルギー企業センプラの子会社センプラ・インフラストラクチャーが2022年4月4日、キャメロンLNGフェーズ2プロジェクトについて、トタルエナジーズ、三井物産、ジャパン・LNGインベストメントと基本合意書を締結したと発表していた(2022年4月12日記事参照)。

ウッドの米州コンベンショナルエナジー担当シニアバイスプレジデントであるジョン・デイ氏は「LNGは、特に欧州のエネルギー供給が途絶えたことで、各国がエネルギー安全保障を確保しようとする中で、大きな注目を集めるようになった。米国は、世界最大のLNG生産国になり得る位置におり、今回のようなプロジェクトにより、クリーンな天然ガスの供給を増加できる」と述べている。

キャメロンLNGでは、設備投資と並行して温室効果ガス(GHG)排出量のネットゼロに向けた取り組みも行われている。センプラは2022年5月23日、キャメロンLNGプラント近接地での二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)事業について、トタルエナジーズや三井物産、三菱商事と参加契約を締結したと発表した(2022年5月26日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、英国)

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