5月の自動車市場、前月比では生産・販売とも増加、回復傾向が顕著に

(中国)

上海発

2022年06月20日

中国自動車工業協会(CAAM)が6月10日に発表した2022年5月の自動車販売台数は前年同月比12.6%減の186万2,000台、生産台数は5.7%減の192万6,000台といずれも減少した。一方、前月比ではそれぞれ59.7%増、57.6%増と回復傾向にある。

CAAMは自動車産業が、需要の縮小、供給ショック、見通しの脆弱(ぜいじゃく)さという3つの困難に直面しており、(自動車市場の)安定成長に向けては極めて難しい対応が求められると指摘した。その一方、中央・地方政府による一連の経済成長安定化策の実施効果もあり、経済秩序が回復し、経済は早期に正常な軌道に戻ると予測している。自動車関連でも、6月以降、乗用車取得税の半減措置などの政策が実行されており(2022年6月6日記事参照)、生産・販売の状況の改善が見込まれるとしている。

5月の自動車販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比1.4%減の162万3,000台、商用車が50.5%減の23万9,000台だった。一方、新エネルギー車は2.1倍の44万7,000台で、1~5月の新エネルギー車の販売台数は前年同期比2.1倍の200万3,000台だった。生産と販売台数がともに200万台を突破し、自動車販売台数全体に占める新エネ車の割合は24%となった。

また、乗用車市場信息聯席会(CPCA)は6月9日、5月の全国乗用車市場分析外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。新型コロナウイルスの影響による輸入部品不足の改善に加え、長江デルタ地域の中国国産部品のサプライヤーによる供給が回復傾向にあることもあり、5月は全国的に生産が急速に回復した。特に吉林省長春市や上海市では、産業チェーンの供給を保証する政策も奏功し、生産が大幅に増加したとしている。

(侯恩東)

(中国)

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