米テキサス州の州知事選は接戦の見通し、大学世論調査

(米国)

米州課

2022年06月16日

米国コネチカット州のキニピアク大学は6月15日、テキサス州の知事選挙などに関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによると、3月1日に実施された同州の知事選予備選挙の結果(2022年3月2日記事参照)を受けて、11月の州知事選で現職の共和党候補グレッグ・アボット氏と民主党候補ベト・オルーク氏のいずれに投票するかという問いに対して、アボット氏48%、オルーク氏43%という結果だった。本世論調査の標本誤差は、±2.8ポイントであるため、ほとんど差がない可能性もある。2021年12月に同大学が実施した世論調査の結果(アボット氏52%、オルーク氏37%)と比較して差が大きく縮まった。

支持政党別、性別、人種別、年代別で支持傾向の違いが大きかった。支持政党別では、共和党支持者はアボット氏90%、オルーク氏5%、民主党支持者はアボット氏2%、オルーク氏96%と対照的だ。無党派層はアボット氏46%、オルーク氏40%となった。

性別では、男性がアボット氏59%、オルーク氏33%、女性がアボット氏38%、オルーク氏52%だった。

人種別では、白人はアボット氏63%、オルーク氏30%、黒人はアボット氏11%、オルーク氏73%と対照的で、ヒスパニックはアボット氏41%、オルーク氏50%とオルーク氏の支持がやや上回った。

年代別では、若年層(18~34歳)でオルーク氏56%、アボット氏35%となり、オルーク氏が上回ったが、35歳以上では全ての年代層でアボット氏がオルーク氏を上回った(注2)。

また、銃規制および人工妊娠中絶が中間選挙の主な争点に挙がっているが、銃規制については、国内において、より厳しい銃規制を「支持する」という回答は58%と過半数を占めたが、「支持しない」は38%と4割近くに達した。5月にテキサス州で銃乱射事件が起こったこともあり、銃購入者の身元確認を行うことについては、「支持する」が93%と大多数だった。銃購入者の年齢制限を21歳に引き上げる(現行18歳)ことについては、「支持する」が73%に達した。

また、人工妊娠中絶について、合法とする割合が59%(「全て合法」24%、「ほとんどが合法」35%)に達した。一方で、非合法とする割合は35%(「全て非合法」12%、「ほとんどが非合法」23%)だった。最高裁が近く、人工中絶を規制する州法を違憲とした1973年のロー対ウェイド判決を破棄するという報道もあったが(2022年5月13日記事参照)、ロー対ウェイド判決を「支持する」が59%と、「支持しない」(35%)を上回った。

(注1)実施時期は、2022年6月9~13日。対象者は、テキサス州の登録有権者1,257人。

(注2)35~49歳は、アボット氏50%、オルーク氏38%。50~64歳は、アボット氏57%、オルーク氏37%、65歳以上でアボット氏50%、オルーク氏45%。

(松岡智恵子)

(米国)

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