中銀、政策金利を1.25%に引き上げ、物価上昇の継続を懸念

(英国)

ロンドン発

2022年06月17日

英国イングランド銀行(中央銀行)は6月16日、前日15日に終了した金融政策会合を踏まえ、政策金利を0.25ポイント引き上げて、年1.25%とすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。5会合連続の利上げとなった。労働市場の逼迫を含めた企業コストと物価の圧力が持続するリスクを考慮するとした。

今回の会合では、英国の第2四半期(4~6月)のGDP成長率は、5月の予測から0.4ポイント引き下げてマイナス0.3%とした。2022年2月~4月の失業率は3.8%、雇用者数は前期比0.5%増加となった。失業率は新型コロナウイルス感染拡大直前と比べるとまだ高い水準にあるが、採用難は依然として深刻化しており、労働市場は逼迫している。さらに、消費者物価指数(CPI)上昇率は、4月に前年同月比9.0%と1997年以来の高水準となり(2022年5月19日記事参照)、10月にはガス・電力市場局(Ofgem)の価格上限が大幅に引き上げられ、家庭用エネルギー価格が上昇するため、11%を上回ると予測している。

中銀は今後の利上げの規模や時期などについては、会合での経済見通しやインフレ圧力の評価を反映させるとし、「今後数カ月間にある程度の追加引き締めが適切」とした前回の方針を変更。「フィナンシャル・タイムズ」紙(6月16日付)は、中銀の慎重なアプローチは6月15日に政策金利を0.75ポイント引き上げた米国連邦準備制度理事会(FRB)の積極的なアプローチ(2022年6月16日記事参照)とは対照的と指摘している。

イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁はリシ・スーナック財務相に宛てた16日付書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、インフレはロシアのウクライナ侵攻によって悪化したエネルギーや農産物の価格上昇といった国際的な要因と労働市場の逼迫、消費者向けサービスの価格上昇などの国内要因を挙げた。さらに、ガスや電力の卸売価格の上昇が小売価格に反映されるまでに時間がかかるため、英国のインフレ率は他の多くの国よりも、ピークに達して下降するのが遅れる可能性があるともした。

(島村英莉)

(英国)

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