米ジョージア州の連邦上院選は現職優勢、州知事選は拮抗、大学世論調査

(米国)

米州課

2022年06月30日

米国コネチカット州のキニピアク大学は6月29日、ジョージア州の連邦上院選挙、州知事選挙に関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによれば、連邦上院選で誰に投票するかという問いに対しては、現職の民主党候補ラファエル・ワーノック氏が54%と共和党候補ハーシェル・ウォーカー氏(44%)を10ポイント上回った。

性別では、ワーノック氏は女性の支持(61%)が高く、ウォーカー氏は男性の支持(52%)が高い。支持政党別では、民主党支持者がワーノック氏97%、共和党支持者はウォーカー氏93%と対照的だ。無党派層はワーノック氏(62%)がウォーカー氏(33%)を上回った。人種別では、黒人がワーノック氏88%、白人がウォーカー氏62%と分かれている。年代別では、65歳以上でウォーカー氏がワーノック氏を上回ったが、その他の年代ではワーノック氏がウォーカー氏を上回る結果となった(注2)。

また、ワーノック氏は、「正直さ」「指導者としての資質」「一般州民への配慮」のいずれもウォーカー氏より高い評価を得た。「正直さ」は、ワーノック氏54%に対してウォーカー氏39%となったほか、「指導者としての資質」は、56%対37%となった。また、「一般州民への配慮」は、59%対44%という結果だった。

中絶問題に関しては、最高裁が6月24日にロー対ウェイド判決を破棄したことで、人工妊娠中絶を認めるかどうか各州の権限に委ねられることになる(2022年6月27日記事参照)ことから、中間選挙の大きな争点の1つとなるとみられている。この決定を受けて、ワーノック氏は「最高裁の判決に憤慨する。中絶の権利を認める牧師として、私はこの戦いから決して引き下がらない。政治家ではなく、女性は自分自身で医療に関する決定を下すことができなければならない」とツイートした。

一方、州知事選を想定した質問では、現職の共和党候補ブライアン・ケンプ氏と民主党候補のステイシー・エイブラムス氏が同率(48%)で互角だった。

両者に対する評価についても、ほとんど差がなかった。「正直さ」は、ケンプ氏47%に対してエイブラムス氏49%となったほか、「指導者としての資質」は、56%対52%、「一般州民への配慮」は、51%対54%と拮抗(きっこう)する結果となった。

キニピアク大学の世論調査アナリスト、ティム・マロイ氏は「両者とも、正直さ、指導者の資質などで好意的な評価を得ているため、州知事選は極めて接戦とみられる」と述べた。

(注1)実施時期は、6月23~27日。対象者は、ジョージア州の登録有権者1,497人。

(注2)18~34歳では、ワーノック氏66%、ウォーカー氏32%。35~49歳では、59%対39%。50~64歳では、49%対48%。65歳以上では、45%対52%。

(松岡智恵子)

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