原産地偽装した米国・EUへの迂回輸出問題、タイ商務省は工場検査など強化

(タイ、米国、EU)

バンコク発

2022年06月14日

タイ商務省外国貿易局(DFT)は6月1日、非特恵原産地証明書(C/O)の発給を申請する前に、輸出品に適用される原産地規則を十分に確認するよう、輸出者に対して呼びかけた。輸出先の相手国側から、確認を求められたり、輸入関税を引き上げられたりする事例が発生しているという。

ピタック・ウドムウィチャットDFT局長によると、過去3年間、米国とEUがアンチダンピング(AD)措置などを発動した国のメーカーに関連して、DFTは米国税関国境保護局(CBP)と欧州不正対策局(OLAF)から、タイの輸出業者29社と15品目にかかる調査協力の要請を受けたという。これらの輸出業者と品目については、米国とEUの貿易措置を回避する目的で、タイの原産品として迂回(うかい)輸出をしようとした可能性があるという。

調査の結果、マットレス、マットレスのスプリング、アルミホイル、蜂蜜、くぎ、太陽光電池および太陽光パネル、電動バイク、リチウム電池の8品目について、調査対象の45%に当たる13社が産地偽装を行っていることが判明した。

迂回輸出行為の例としては、製品の部品・コンポーネントをタイに輸入し、タイで再組み立て、または若干の加工(米国やEUの原産地規則を満たさない水準で、通常は原産地が変わったとみなされない程度の加工)を行い、米国やEUへ輸出するといった方法で行われている。2022年第1四半期(1~3月)では、米国・EUは継ぎ目のない鉄鋼管、バスやトラック用のタイヤ、グラスファイバー、木製家具、鉄鋼製の継ぎ手などを注視している。

DFTは原産地検認システムなどのデータベースを活用し、迂回輸出防止に向けて注視を続けている。また、米国やEUが貿易措置を講じる特定国(例:中国など)の対象商品に関する輸出入統計を確認し、特定国からタイへの当該品目の輸入量と、タイから米国・EUへの輸出量に連動がないかチェックしている。加えて、DFTはCBPやOLAFと協力し、物品が原産地規則に従って生産されているかどうかを確認するため、工場の実地検査などといった対策を強化しているという。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、米国、EU)

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