独占禁止法が初の改正、8月1日から施行

(中国)

北京発

2022年06月30日

中国の第13期全国人民代表大会(全人代)常務委員会第35回会議は6月24日、独占禁止法の改正に関する決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを可決した。改正独禁法は8月1日から施行される。同法の改正は、2008年8月の施行以来初となる(注1)。

全人代ウェブサイトに掲載された国家市場監督管理総局局長の説明では、改正の理由として、2008年の独禁法施行以降の運用の中で、一部の独占禁止行為に対する処罰が不十分なこと、法執行体制に改善の余地があることなどの課題が明らかになったことを指摘している。特に、一部の大規模プラットフォーム事業者がデータや技術、資本などの優位性を乱用して独占的行為を行い、公平な競争の障害となっており、プラットフォーム経済分野における独禁法関連制度の具体的な適用規則の明確化が急務とした。

上記の背景の下、改正独禁法の第22条において、市場支配的地位を有する事業者による、データやアルゴリズム、技術やプラットフォーム規則などを利用した市場支配的地位の乱用を禁止する旨が規定されるなど、プラットフォーム事業者を対象とする内容が追加された。

また、事業者集中審査について、国務院が定める申告基準(注2)に達しない場合でも、国務院独占禁止法執行機関が、当該事業者集中が競争制限・排除効果を持つかその可能性があることを証明する証拠を有する場合、同機関は事業者に申告を要求することができると規定した(26条)。分類されたレベル別の事業者集中審査制度を整備し、経済や国民生活に関係する重要分野における審査を強化することも盛り込まれた(37条)。

このほか、垂直的独占協定に関して、関連市場における市場占有率が国務院独占禁止法執行機関の定める基準を下回ることを証明でき、かつ、国務院独占禁止法執行機関の定めるその他の条件に合致する場合は禁止しないとする「セーフハーバールール」を定めた(18条)。

北京市環球法律事務所は、改正独禁法では罰則を強化しており、多くの制度規則を新設しているが、新制度は原則的な規定にとどまっているものが多く、実務上、その具体化・明確化が待たれるとの見解を示している。なお、国家市場監督管理総局から6月27日に公表された同法の付属法規6件の意見募集稿(注3)では、同法の新設の制度規則についてより詳細な規定が設けられている部分もあることから、関連企業はこれら意見募集稿の動向にも注意を払うことが望ましいとしている。

(注1)改正前の独占禁止法については、「ジェトロ・ビジネス関連法」のウェブサイトより日本語訳PDFファイル(141KB)を参照できる。

(注2)事業者集中申告基準に関しては、国家市場監督管理総局から6月27日付で「事業者集中申告基準に関する国務院規定」の改定案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが意見募集されている。

(注3)「事業者集中申告基準に関する国務院規定」の改定案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、「事業者集中審査規定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」「独占協定禁止規定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」「市場支配的地位の乱用行為禁止規定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」「競争を排除・制限する行政権力の乱用行為阻止規定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」「競争を排除・制限する知的財産権の乱用行為禁止規定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の6つで、意見募集期間はいずれも7月27日までとなっている。

(小宮昇平)

(中国)

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