米ディスカウントチェーンや百貨店、好調な四半期(2~4月期)決算を発表、業態別に格差も

(米国)

ニューヨーク発

2022年06月07日

5月中旬に発表された米国小売り大手の四半期決算は低調な内容となったが(2022年5月26日記事参照)、5月下旬に発表されたディスカウントチェーンや百貨店の業績は好調で、市場に安心感を与えた。物価高が続く中、低所得者層は安価な商品を求めてディスカウントストアの利用を増やした一方、比較的裕福なアッパー層を主な対象とした百貨店では高級品などの売り上げが好調で、各層の消費習慣に格差がみられた。

全米に1万8,000店舗を展開する大手ディスカウントチェーンのダラー・ゼネラルが5月26日に発表した2022年2~4月期決算では、純売上高が前年同期比4.2%増の87億5,135万ドルとなった。既存店の売上高を従来予想の2.5%増から約3.0~3.5%増に上方修正し、通期の売上高見通しを引き上げた。歴史的な高インフレに加え、ウクライナ戦争や新型コロナウイルスのパンデミックなどによる先行き不透明から、消費者が低価格商品を求めていると同社幹部は述べた。同社によると、1年前までは政府による給付金や児童税額控除の拡大により、消費者は衝動的な商品購入をしていたが、ここ最近はより安価なプライベートブランドの商品購入にシフトしているという。

また、国内に1万5,000店舗以上を展開する同業のダラー・ツリーが同日に発表した2022年2~4月期決算では、純売上高が前年同期比6.5%増の69億ドルとなり、同社傘下の店舗では、同期が会社史上、最も好調な業績を記録したようだ。同社はこれまで全商品を1ドルで提供していたが、運送費や賃金の上昇に伴うコスト増に対応するため、年4月までに大半の商品を1.25ドルへと値上げし、これが売り上げを大きく押し上げているという。今後は新たに導入した3ドルと5ドルの商品の品ぞろえを拡大し、より多くの顧客のニーズを満たすことを目的とするとしている。

アッパー層の顧客を主な対象とした米国の百貨店メイシーズが5月26日に発表した2022年2~4月期決算では、純売上高が前年同期比13.6%増の53億ドルだった。ジェフ・ジェネット最高経営責任者(CEO)は決算発表後の電話会議で、同社の事業では高級品の売り上げが好調で、今のところ高所得者層へのインフレの影響は比較的少ないと指摘した。ニューヨークなどの大都市では国外からの観光客が増えたことで店舗への客足も戻り、直営店とライセンス店の既存店売上高は前年比12.4%増加した。他方で、今後の見通しに関して、中国の厳格な都市封鎖が長期化したことに加えて、ロサンゼルス港では労働交渉(2022年5月26日記事参照)が続いていることから、同CEOは小売業のサプライチェーンにはまだ大きな不確実性があると懸念を示した。

(樫葉さくら)

(米国)

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