マルコス次期政権の経済閣僚が明らかに、財界から好感の声

(フィリピン)

マニラ発

2022年06月07日

2022年6月30日に発足するフェルディナンド・マルコス次期大統領政権の経済閣僚が明らかになり、財界からは同政権に対して好感が広がりつつある(「フィルスター」紙5月30日ほか)。フィリピン商工会議所(PCCI)は5月30日、マルコス次期政権の経済閣僚について、「経験豊かで、有能な経済指導者たちだ」と評価している。ジェトロで主要な次期政権をまとめたところ、次のとおりだった。

(1)財務相:ベンジャミン・ディオクノ氏〔現フィリピン中央銀行(BSP)総裁〕

BSP総裁として、新型コロナ禍を起因とする経済危機に対応するため、迅速に金融緩和措置を実施。また、金融システムのデジタル化や金融包摂(注)に尽力した。シラキューズ大学マックスウェル行政大学院で博士号(経済学)を取得。

(2)貿易産業相:アルフレド・パスクアル氏〔現フィリピン経営管理協会(MAP)会長、大手財閥SMインベストメンツ筆頭独立取締役、建設大手メガワイド・コンストラクション独立取締役〕

2011年から2017年までフィリピン大学総長兼共同議長を務めた。また、1989年から2008年までアジア開発銀行(ADB)で勤務。シニアインベストメントオフィサーなどを歴任。フィリピン大学で修士号(経営学)を取得。

(3)国家経済開発長官:アルセニオ・バリサカン氏(現フィリピン競争委員会会長)

初代フィリピン競争委員会会長で、2012年から2016年にかけて国家経済開発長官を務め、今回、同ポジションに2回目の就任となる。30年超にわたってフィリピン大学経済学部に勤務し、同大学経済学部長などを歴任。ハワイ大学で博士号(経済学)を取得。

(4)フィリピン中央銀行(BSP)総裁:フェリーペ・メダーリャ氏(現BSP金融政策委員会委員)

BSP金融政策委員会委員着任前は、フィリピン大学経済学部長を務めた。また、1998年から2001年にかけて国家経済開発長官を経験。経済学者として、貧困に対する経済政策の影響やフィリピンの経済成長を計測する上での課題について著作を記した。ノースウェスタン大学で博士号(経済学)を取得。

(注)ファイナンシャル・インクルージョン。国民全員が基本的な金融サービスを受けられること。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

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