5月の貿易額は輸出の大幅増により2桁増に

(中国)

北京発

2022年06月17日

中国海関総署の2022年6月9日の発表によると、2022年5月単月の貿易総額(ドル建て、以下同)は前年同月比11.1%増の5,377億ドルとなり、前月(2.1%増)から伸びが回復した。そのうち輸出額は16.9%増(4月:3.9%増)の3,082億ドル、輸入額は4.1%増(0.0%増)の2,295億ドルで、貿易収支は787億ドルの黒字だった(添付資料表参照、注1)。輸出は3月以来2カ月ぶりに2桁増を回復した。なお、5月の貿易貨物輸送量は前年同月比0.4%減となった。そのうち輸出は1.1%増とプラスを回復し、輸入は1.3%減と依然マイナスにとどまったものの、減少幅は縮小した。

5月の貿易額を国・地域別にみると、中国の主要な貿易パートナーであるASEAN、EU、米国、韓国、日本のうち、輸出では米国、ASEAN、EU、韓国向けが軒並み2桁増となった。特にASEANは25%を超える伸びとなり、EUを上回って第2位の輸出先になった。また、4月以降、韓国向けの輸出額が日本を上回っている。輸入では、米国が2割超の増加となった。なお、ロシアとの貿易は、輸入額が前年同月比8割増となったため、総額では4割近い増加になった。

5月の貿易額を主要品目別にみると、輸出では、自動車が前年同月比5割近い増加となった一方、家電やパソコンはマイナスだった。輸入では、原油・石炭・天然ガスが単価の上昇を主要因として増加したが、金額の大きい集積回路をはじめ、化粧品類や工作機械は減少した。

海関総署の李魁文報道官(統計分析司長)は、今後の見通しについて、経済安定化のための一連の政策措置(2022年6月2日記事参照)の効果が表れ、また、企業の操業再開が加速することなどにより、貿易は安定的な伸びを保つことができると自信を示した(「21世紀経済報道」6月10日)。

中国国際経済交流中心経済研究部の劉向東副部長は、5月の貿易の伸びが回復した要因として、中国国内の操業・生産の再開が進んだことで停滞していた受注案件が実行され、かつ、国外に流れていた受注が一部戻ったこと、人民元安が輸出数量の増加に寄与したこと、輸出先である主要国経済の回復、エネルギー・食糧価格の高騰による単価の上昇などを挙げた。他方、依然として下押し圧力が存在するとも指摘し、引き続き貿易の安定に注力することが必要だ、と述べた。特に、越境EC(電子商取引)など貿易の新業態の育成や、物流の円滑化、原材料の供給・価格の安定などが必要としている(注2、「中国経済時報」6月13日)。

(注1)元建てでは、貿易総額が前年同月比9.6%増、輸出額が15.3%増、輸入額が2.8%増となった。

(注2)国務院は5月26日、貿易を行う企業が直面する問題の解決を支援し、貿易の安定と質の向上、経済と産業チェーン・サプライチェーンの安定に資するため「貿易の安定と質の向上の推進に関する意見」(国弁発[2022]18号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表している(2022年6月7日記事参照)。

(小宮昇平)

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