英国政府、2025年に向けたデジタル戦略を発表

(英国)

ロンドン発

2022年06月28日

英国政府は6月13日、「アイデア」「人材」「投資」に焦点を当てたデジタル戦略を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。成長著しい人工知能(AI)、半導体、量子コンピュータなどの技術に対するイノベーションの支援を目指す。政府は、デジタル経済の強化により、2025年までに英国のハイテク部門の年間総付加価値(GVA)を415億ポンド(約6兆8,475億円、1ポンド=約165円)高め、67万8,000人の雇用を創出するとしている。

デジタル戦略は、以下の6つの主要分野が焦点となっている。

  • デジタル基盤:デジタル市場とセキュリティなどに焦点を当てた、デジタル規制のための計画とデジタル経済への実装。
  • アイデアと知的財産:デジタル技術に特化したイノベーション戦略を基に、産学を含むイノベーション・エコシステムを支援するための政府の取り組みを整理。
  • デジタル技術と人材:デジタル教育の強化などにより、英国企業がグローバル人材を採用できるようにするための政府の改革。
  • デジタル成長への融資:資金調達の改善、フィンテックを通じた経済全体への技術革命の定着などを含む、英国がデジタル技術ビジネスを開始、運営する上で優れた場所であり続けるための技術エコシステムの改善の提示。
  • 繁栄の拡大とレベルアップ:テクノロジーの導入による生産性向上、公共サービスの改善、ネットゼロなどの達成を支援するためのデジタル技術の活用方法を解説。
  • 世界における英国の地位向上:科学技術大国としての影響力を維持するための政府の取り組みと、政府がデジタル製品やサービスに関して世界にどのように貢献しているかを強調。

デジタル戦略は、英国が科学技術大国としての世界的な地位を確立するためのロードマップで、世界に通用するデジタルインフラを英国全土に展開し、国内企業が新しい技術の導入を通じて国際的な技術ガバナンスシステムに協力することが、デジタル成長の持続に不可欠だとしている。

2022年に英国は既に124億ポンドの資金を調達し、スタートアップへの投資において米国に次いで2位となり、中国、フランス、インドといった国々を上回っている(「デイリー・メール」6月13日)。

(島村英莉)

(英国)

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