世界経済フォーラムが選ぶ革新的な世界のスタートアップ100社にチリ企業2社選出

(チリ)

サンティアゴ発

2022年05月17日

世界経済フォーラム(WEF)は5月10日、「テクノロジー・パイオニア・コミュニティ2022」として選出された、各業界の最前線で活躍する革新的な世界のスタートアップ100社を発表した。全体の半数超を米国(31社)、中国(13社)、英国(11社)の3カ国で占める中、中南米地域からの選出は計5社で、うちチリ発のスタートアップとしては、プロップテックのホーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Houm)とフィンテックのグロバル66外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Global66)の2社が選出されている。

ホームは、不動産の賃貸借、売買契約に係る手続きを簡略化するためのワンストップのデジタルプラットフォームを提供する、2018年に設立したスタートアップだ。従来不動産の貸主や売主に必要とされていた書類を通じた煩雑な手続きを廃止し、スピード感のあるオンライン取引を実現している。チリ以外にも、2020年にコロンビア、2021年にメキシコへ進出し、現在は3カ国の計10都市で事業を展開する。グループ全体で200人超の従業員に加え、およそ200人のフリーランスを抱えており、彼らを通じた個々の顧客の要望に沿った細やかな対応についても、セールスポイントとしている。

グロバル66は、2018年に設立したスタートアップで、個人や中小企業向けの金融プラットフォームを運営している。ブラジル以外のほとんどの国は公用語がスペイン語である中南米域内では、出生国以外の周辺国で生活する人口が非常に多いという特徴がある。彼らは、出生国以外の国で銀行口座を開設し、国内外への送金を行う手続きに難を抱えているケースが多い。グロバル66のプラットフォームは、そういった事情を持つユーザーが短時間かつ安価な手数料で利用できるというのが特徴で、国内送金だけでなく、中南米域を中心とする7カ国から、世界の55カ国への国際送金も可能だ。

チリ発スタートアップは、ここ数年継続的に「テクノロジー・パイオニア・コミュニティ」に選ばれており、既にユニコーン企業となったフードテックのノット・カンパニー(NotCo)(2019年12月25日記事参照)も2020年に選出された経験を持つ。

(佐藤竣平)

(チリ)

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