中国の魏国防相がイランを訪問、ライーシー大統領らと会談

(イラン、中国)

テヘラン発

2022年05月06日

4月27日、中国の魏鳳和国務委員兼国防相がテヘランを訪問し、イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領らと会談した。

4月27日付イラン大統領府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、会談のなかでライーシー大統領は、「イランの明確な政策は、さまざまな分野で中国と長期的で戦略的な関係を発展させることである」と述べ、2021年3月に締結した中国との25年間の包括的経済協力協定の実施の重要性を指摘した(2021年3月29日記事参照)。また、「地域や世界の発展は、イランと中国の戦略的な協力の重要性をこれまで以上に明らかにしている」とし、「安定と秩序の確立は、独立した国同士の協力を通じてのみ達成可能である」と述べた。また同大統領は、核合意(JCPOA:包括的共同行動計画)からの米国の一方的な脱退について非難した。

魏国防相は、「イランと中国が関係をさらに強化することで、地域と世界の安全を構築できる」と述べ、「中国とイランは世界の全ての問題において互いに協力し、世界の平和の促進に貢献できる」とした。

魏国防相はまた、イランのモハンマド・ホセイン・バーゲリー軍統合参謀本部議長とも会談を行い、最新の国際・地域情勢、戦略・防衛・安全保障関係の拡大、さらに両国軍の協力レベルの推進について協議を行った〔4月27日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

今回の会談に対する当地メディアの反応としては、保守強硬とされるタスニム通信などは、事実関係を報じるとともに、米国に対する批判的発言や、軍事部門を含む中国との関係強化についての発言にも言及した。中道とされるイラン学生通信社(ISNA)などは、事実関係のみを報道した。

(鈴木隆之)

(イラン、中国)

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