エストニア最大のスタートアップイベント「ラティテュード59」が2年ぶり開催、ジェトロも共催イベント実施

(エストニア、日本)

ワルシャワ発

2022年05月27日

バルト3国で最も大きなスタートアップイベントの1つである「ラティテュード59外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」がエストニアの首都タリンで5月19~20日に開催された。新型コロナウイルスの影響で2021年は中止となったが、今回は58カ国から約2,800人が参加。エストニアでは新型コロナウイルスに関する行動制限も撤廃されているため、例年よりも多くの参加者が集まり、会場は多くの人でにぎわった。

会期中はサイバーセキュリティーや人工知能(AI)、ブロックチェーンなどさまざまなテーマで議論が行われたほか、台湾の唐鳳(オードリー・タン)政務委員がリモートで参加し、ケルスティ・カリユライド前大統領と市民データの活用について議論するなど、電子国家として注目されているエストニアならではのテーマもあった。日本の自治体からは渋谷区と神戸市が日本ブースを設置したほか、「Big in Asia」というタイトルで日本やアジア市場に関する議論も行われた。主催者の発表によると、マッチングアプリを通じて2,647件のB2Bミーティングがアレンジされた。

写真 カリユライド前大統領(舞台右)とリモートで参加する唐鳳(オードリー・タン)政務委員(ジェトロ撮影)

カリユライド前大統領(舞台右)とリモートで参加する唐鳳(オードリー・タン)政務委員(ジェトロ撮影)

写真 展示スペースに設けられた渋谷区と神戸市による日本ブース(ジェトロ撮影)

展示スペースに設けられた渋谷区と神戸市による日本ブース(ジェトロ撮影)

今回のラティテュード59に先立ち、ジェトロは18日にエストニアの貿易投資機関エンタープライズ・エストニアとの共催により、両国のビジネス環境を紹介するセミナーとネットワーキングイベント「Japan Innovation Day」を開催した。テーマはジェトロが2021年に立ち上げた日本企業と海外企業による協業・連携を支援するビジネスプラットフォーム「ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge)」で、欧州地域で重点分野に定めているカーボンニュートラルとデジタル。同イベントでは欧州を拠点とする日系企業やエストニアのスタートアップ、企業や政府機関関係者が約60人参加し、交流を深めた。

写真 Japan Innovation Dayの会場(ジェトロ撮影)

Japan Innovation Dayの会場(ジェトロ撮影)

写真 ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

バルト3国のテック、スタートアップ事情を知る上で最適なイベントとなっているラティテュード59は、2023年は5月25~26日に開催予定。

(吉戸翼、今西遼香)

(エストニア、日本)

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